学資保険は入らなくてよい?ママパパに伝授したい本当に賢い教育資金の貯め方
- fp_ito2018
証券会社で働きながらファイナンシャルプランナーとしても活動しているイトーです。「で、結局何すりゃええねん。」に答えたく、投資・資産運用に関する情報や自分の運用状況を公開しています! ・ファイナンシャルプランニング技能士 ・AFP ・証券外務員
子供が出来ると多くのママパパは、学資保険への加入を検討するでしょう。
しかし、なんとなく入ったほうがよさそうという感覚で加入してしまうと思わぬデメリットがあり損をしてしまう可能性もあるのをご存知でしょうか?
ここでは、子供の教育資金を準備する最適な方法は学資保険なのか?ということを考えてみます。
多くのママパパが加入を考えている学資保険とは
学資保険とは、子供の教育資金(学費・生活費など)を準備するために、あらかじめ資金を積み立てる制度です。
子育て資金はいくらかかって毎月いくら貯金をしないといけないのか?でくわしくは書きましたが、幼稚園から大学まですべて公立にいかせても1,000万円、全て私立の場合だと2,600万円もかかるため、支出が少ないうちからコツコツ貯めておく必要がありますね。
学資保険は「保険」と名前がついているとおり、万一の保障という機能も持っているので、親に何かあった場合でも子供の教育には資金面で影響を与えないというのが本来の目的となっています。
商品によってはさまざまなオプションがついていますが、基本的には「親に何かあった場合にも教育資金は確保する」という大目的を忘れないようにしましょう。
学資保険には3つのメリットがあるため悩む気持ちもわかるけど
学資保険のメリットは大きく3つあります。
それは先述している、親に何かあった場合でも教育資金を確保するという確約が得られることと、使ってしまいがちなお金を仕組み化し半強制的に貯めておくことが出来ること、そして加入している分は所得控除つまり節税が出来るということです。
そのほかにも多少の利率が付くということもありますが、それほど大きな利率が付くわけではないのでここでは大きくフォーカスしないことにします。
万が一の保障
教育資金を普通の預金などで準備しようとする場合、途中で親が亡くなったりしてしまうと、教育資金の積み立ても当然ストップしてしまいますよね。
しかし、仮にママパパが亡くなってしまい積立がストップしたとしても、設定した教育資金は子供に支払われます。
強制的に積み立てが可能
学資保険は毎月の引き落としになるので、自分で積み立てができないという人でも強制的に教育資金の準備が可能です。
「子供の教育費のための貯金をつい使ってしまう」という親はあまりいるとは思いたくありませんが、このような事態を避けるためにも学資保険の制度は役に立ちます。
所得控除による節税が可能
学資保険は生命保険として所得控除が可能です。
サラリーマンであれば年末調整で申請することで、学資保険として積み立てた分は控除され、納めた税金が帰ってくるので、普通に貯金しているよりも税制面でのメリットが受けられることになります。
保険の額や収入にもよりますが、年間で約1万円以上のお金が返ってくることになりますので、かなりお得に活用することが出来ます。
亡くなってしまうことが前提でなければ、これが最っとも大きなメリットと言えるでしょう。
元本割れの可能性やお金が拘束されるデメリットもあるためママパパは天秤にかけて加入を検討するべき
逆に学資保険のデメリットもあります。
ひとつは「お金が拘束される」こと、もうひとつは「元本割れ」の可能性があるということです。
お金が拘束される
メリットとして「強制的に積み立てが出来る」と挙げましたが、逆に、途中で何があってもお金を崩せないともいえます。
家のリフォームが必要になった、車が故障した、事故をしてしまったなど…予期せぬタイミングで大きなお金が必要になるタイミングもありますよね。そういう時に自由にお金を動かせる方が安心ではないでしょうか?
もちろん、学資保険は全体に途中解約できないわけではありません。しかし途中解約をしてしまうと、かなり元本が減った状態でお金が戻ってくるので大きく損をすることになるでしょう。
オプションの追加により元本割れの可能性がある
学資保険は教育資金の積み立てのほか、いろいろな「オプション」をつけることが出来ます。
親が亡くなったり病気になった場合でもお金が支払われる死亡保障や医療保障のほか、特約をつけることで満期時に受け取れるお金は積み立てたお金を下回る場合があります。
もし加入する場合、特約(=オプション)については、本当に必要なもの意外は無駄につけないように気をつけましょう。
学資保険は生命保険で置き換わるから無理に学資保険でなくても大丈夫
さて、ここまでのメリット・デメリットを見ていて勘のいい人は気づいたかもしれませんが、学資保険が果たす役割は、実は一般的な「生命保険」と同じです。
学資保険のメリットである、「親が亡くなった場合お金が支払われる」「生命保険料控除として節税が出来る」というのは生命保険が果たしている役割と丸かぶりなんです。
すでにこういった生命保険に加入している場合、学資保険に入る目的は「強制的に積み立てが出来る」ということしかなくなります。
ちなみに、自分で積み立て(貯金)が出来るのであれば学資保険のデメリットである「お金が拘束される」という点もなくなります。
これらを考えると、ベストな手段としては、学資保険に加入せずに生命保険に加入し、教育資金は定期預金などで積み立てることになります。
あまり余裕はないけど教育資金だけは確保したい人は学資保険に入るべき
ベストな手段として「生命保険」+「積立」という方法を挙げました。
この方法だと子供に最大限の保障を残しながら資産的にも増やすことが出来るのですが、「保険料」と「積立金」をダブルで毎月支払うことになりますので、負担自体は学資保険よりも大きくなってしまいやすいです。
がんばっても「月に数千円程度」の捻出しか難しいけど、自分に何かあっても教育資金は残してあげたいという場合は学資保険を選択することもありでしょう。
学資保険に加入するのは遅くても5歳までに
学資保険は子供が進学(入学)時に目的金額を設定して積立額が算出されますので、加入が早ければ早いほど毎月の負担額は小さくなります。
遅くとも5歳になる前には加入するママパパが多いようです。
保障内容にもよりますので見積もりを取って確認することが確実ですが、出来れば子供が0歳~5歳までに加入したほうが楽に教育資金作りをはじめることができるでしょう。