資産運用で年利3%の実現は簡単なのか?
- fp_ito2018
証券会社で働きながらファイナンシャルプランナーとしても活動しているイトーです。「で、結局何すりゃええねん。」に答えたく、投資・資産運用に関する情報や自分の運用状況を公開しています! ・ファイナンシャルプランニング技能士 ・AFP ・証券外務員
資産の相談を受けていると、よく「資産運用って年間でどのくらい増やすことができればいいのでしょうか?」というような質問を受けます。
正直、その時のマーケットの影響も受けますしその人や家庭の目的や段階にもよるので一概には言えません。
しかし一応、私は人生を通して平均で「年利3%」は実現できています。
書籍やサイトを見ていても、他にもいろいろなFPの方がこの「年利3%」をベースにアドバイスをしているのを見かけます。
ではこの「年利3%」というのはどれくらいのインパクトがあり、どれくらい実現可能な数字なのでしょうか?
投資しようか、貯金したままにしておこうかと、悩んでいる方は是非、3%の実現性について確認してみてください。
「年利3%」で資産は2000万円増える
まず、実現性の前に年利3%のインパクトについて。
「年利3%」というと、100万円が1年間で103万円になるということですね。
これだけみるとけっこうショボそうに見えてしまいますが、長期で運用しているとどんどん利息に利息がくっついて雪だるま式に増えていきます。
例えば、30歳から60歳まで毎月10万円を貯金した場合と、「年利3%」で毎月積立運用した場合どれくらい違うかを比較してみます。
- 貯金した場合
- 3600万円
- 資産運用した場合
- 5841万9,072円
預金に比べて2200万円も増えることになります。
※この利益分に対しては正確には税金がかかりますが、それも「NISA」などの制度を利用することで大きく減らすことができます。
つまり「年3%」の資産運用というのは退職金ひとつ分くらいの成果を生むことになりますね。
もちろん、もっと運用がうまくいった場合はその成果は大きくなります。
「年利3%」あれば住宅ローンを借金ではなく利益にできる
年利3%というのは非常に大きなインパクトを生むということがわかりましたね。
また、もう一つのメリットもあります。
この「年利3%」というのは、多くの人が人生で一度は借りることになる「住宅ローン」を味方につけることができます。
例えば、定年を迎えたときに住宅ローンの残りが2000万円残っていたとして「退職金で繰上げ返済をする」という行動。
よくあるパターンなのですが、実はこれはFPから見ると非常にもったいないこと。
なぜなら、住宅ローンというのは大きなお金を低金利で借りられる数少ないチャンスだからです。
住宅ローンの金利が1%だとすると、その退職金で返済をせずに「年利3%」で運用することができれば3-1で差し引き2%の利益を住宅ローンで借りたお金が生んでくれることになるのです。
つまり「年利3%」を実現できれば、自分の資産はもちろん住宅ローンのような「借金」も資産に変えてしまうことができるということになります。
「年利3%」の実現方法
では肝心の「年利3%」を実現する方法ですが、投資初心者でも単純な投資で実現することはできるのでしょうか?
理論だけ語ってもしょうがないので、ここでは世の中で「年利3%」を実際に実現している投資方法を見てみます。
日本の不動産に投資する「J-REIT(ジェイリート)」で「年利4%」
「J-REIT」というのは日本の不動産に投資している投資信託のことです。
オフィスや商業施設など商品によって投資先の不動産は様々ですが、不動産に投資することでその家賃収入で利益を出していくタイプの商品になります。
日本の不動産のみなので、為替や株価のリスクがほとんどない安定性が特徴です。
この「J-REIT」の様々な商品の平均の利回りが「約4%」となっています。
つまり何も考えずに、「J-REIT」に投資し続けるだけで「年利4%」を実現できることになります。
リスクとしては、不動産価格が下がってしまうとこの商品の価格も下がってしまいますが、それは長期の積立投資という方法をとることによってリスクを分散させることが可能です。
オススメ商品を下記にまとめておくので、投資する際の参考にしてみてください。
「J-REIT」に投資するオススメ商品
- Smart-i Jリートインデックス
- ニッセイJリートインデックスファンド
アメリカの株「S&P500」で「年利12%」
アメリカ株のパフォーマンスを見る代表的な指標に、アメリカの主要企業500社の時価総額の平均を示す「S&P500」という指標があります。
このS&P500の推移を見ると、過去30年間で10倍以上になっていることがわかります。
(アメリカ株の指標には他にも「ダウ」という有名なものもありますがこのダウも10倍以上になっています。)
これは、年間の利回りに計算し直すとなんと「12%」近い利回りになります。
先ほどの毎月10万円の例でいうと、60歳の時には3億5000万円以上ある計算になります。
夢のような話ですがこれもあくまで実際の数字です。
S&P500に投資するオススメ商品
- eMAXISSlim米国株式(S&P500)
- iFree S&P500インデックス
日本株の平均利回りは「年利1.6%」
もっとも身近な日本の株式はいかがでしょうか?
一旦、株の値上がり分は無視して、株式を持っているだけでもらえる「配当金」の平均を見てみます。
東証一部に上場している株式の平均の利回りは「1.6%」となっていて、「年利3%」には届かない数字になっています。
しかし、配当金を重視して銘柄を選んだ場合は「年利3%」に容易に近づけることができます。
ちなみに配当金の高い日本の株式で人気のあるものには下記のようなものがあります。
※2018年9月現在
- 武田薬品工業:3.8%
- みずほFG:3.6%
- 三井物産:3.5%
日本株(配当重視)に投資するオススメ商品
- 三井住友・配当フォーカスオープン
「年利3%」はどのような資産でも長期で運用すればクリアしている数字
ここまで挙げたように、不動産でもアメリカ株でも日本の株(銘柄を工夫すれば)でも「年利3%」というのは十分に実現可能、というより現在でも実現している数字ということができますね。
しかもこれらの投資は頻繁に売り買いをするような忙しい投資ではなく、単純に毎月積み立てるような投資で実現できるものなので専門知識も特に必要なものではありません。
逆にいうと、毎月定額を投資しないと価格が下がってしまうリスクが出てきてしまうので、毎月継続できる積立金額の設定に気をつける必要があるというのが注意点でしょう‼︎
それさえできればかなり有利に資産運用をすることができるといえるでしょう。