子どもに苦手な食べ物を食べられるようになるアイデア一覧
- yuzu.jiiya
保育園で勤務する管理栄養士です。主な投稿は、保育園での給食や気になる食のこと。スポーツ栄養は仕事じゃないけど、興味のある分野です。 #保育園栄養士 #管理栄養士 #調理師 #幼児食 #離乳食 #スポーツ栄養
大人になっても野菜の好き嫌いってありますね。
子どものうちから食べられるようになっていれば…という思いのパパママもいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、特に嫌いな野菜として保育園でも声が上がっているがの、
- ピーマン
- トマト
- なす
- ほうれん草
です。
これらの野菜を少しでも克服し、たくさん食べられるようになるアイデアを紹介します。
苦手な方は、一度試してみて一つでも多くの野菜を食べてほしいと思います。
ピーマンは炒めても失いにくいビタミンが豊富なので、苦味を消す工夫をして食べやすくする
苦手な野菜の代表格ですね。苦手は理由はピーマンの苦味が苦手というものが多いでしょう。
動物は「苦み」という味覚が毒かどうか判断する一つの指標としており、毒物を本能的に避けるしくみになっていることから、人間も苦みのある食べ物は避けてしまいます。
子どもの味覚は大人より敏感なので、ピーマンの苦さを毒と判断するため嫌いな理由となるのです。
似た野菜にパプリカがありますが、パプリカはピーマンの仲間ですが、ピーマンより苦みが少なく、甘さがあるので食べやすい野菜です。
苦手意識をなくすために、パプリカを試してもいいですよ。
ピーマンの栄養価。炒めても失いにくいビタミンが豊富
旬は7-9月ごろの夏野菜。
ビタミンA,C,Eが豊富で、ビタミンCはレモンの2倍、トマトの約5倍あると言われています。
これらのビタミンは加熱調理に強く、加熱により吸収率がアップするカロテンも含まれています。
ピーマンの苦味を消す調理方法
まずは調理方法です。苦味を消すための工夫として、切り方や調理方法があります。
- 油で炒める
- ピーマンの苦み成分は、油に溶けやすいので油で炒めると苦みが和らぎます
- 切り方
- 横に切ると苦みや匂いが強く出て、縦に切ると苦みや匂いが和らぎます
- 下ゆで
- さっと下ゆでしても苦みや匂いが抑えられるますよ
さっと湯がいたピーマンとしらす干しを炒め合わせ甘辛く味付けすると、ご飯のお供によく合うので、白ご飯に乗せて食べるとまだ食べやすいですね!
また、お肉が好きな子どもには、案外ピーマンの肉詰めがおすすめです。
一見丸ごとピーマンなので敬遠されがちですが、しっかりと焼くためピーマンの独特な香りや食感が少なくなっているからです。ダメもとで試してみましょう。
もし、ピーマンがダメで中のお肉だけでも食べられたら、「ピーマンにくっついていたお肉は食べられてよかったね」とほめてあげましょう。
子どもたちはそれだけでもほめてもらえれば嬉しくなり、次もう一度チャレンジするきっかけとなりますよ。
トマトはリコピンが豊富に含まれるので、苦手な理由に合わせた調理方法を
苦手な子も多い反面、好きな子も多いトマト。
苦手な理由は、
- 酸味が苦手
- 種と身(ゼリー状のところ)部分の食感がイヤ
- 硬い皮が食べづらい
などがありますね。
”トマトが赤くなると医者が青くなる”ということわざがあるように、栄養たっぷりの野菜なので、ぜひ苦手を克服してもらいたいものです。
トマトの栄養価。ビタミンや食物繊維はもちろんリコピンを豊富に摂れる
ビタミンC、カリウム、食物繊維が多く含まれており、注目は何と言ってもリコピンという成分です。
リコピンは色素の成分で強い抗酸化作用も持ちます。老化やがん、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こさないよう、細胞の酸化を防いでくれます。
リコピンを効果的に摂取するには、生で食べるより加熱加工したほうが吸収しやすいということが最近の研究でわかってきているので、加熱調理をするようにしましょう。
トマトの苦手なポイントを確認し、苦手なポイントに合わせた調理方法を
皮が苦手ならば、「湯むきをし皮を取る。」
種やゼリー状の部分が苦手ならば、「そこを除いて」食べてみましょう。
ひと手間かかりますが、まずは食べられるところからチャレンジです。
味や酸味が苦手ならば、加熱してみましょう。スープに入れる、トマトを炒めて卵とじにするなど、加熱すれば、甘味が引き立つので食べやすくなります。
また、トマトには赤色だけでなく、黄色やオレンジ色のトマトもあります。
形もさまざま、たくさんの種類がありますので、好きなトマトを探してみるのもいいですね。
なすはなす特有のポリフェノールを配合!チーズをかけると意外に食べやすいかも!
見た目の色がちょっと敬遠されがちな、なす。
味にくせはなく、淡泊なので、食べてみれば案外好きになってもらえるかもしれません。
なすの栄養価。抗酸化作用が強いナスニンの他、夏バテ解消効果のあるカリウムも配合
なすには栄養がない!?と言われますが、そのほとんど、約94%は水分だから。しかし、しっかりと役割もあるんですよ。
なすに含まれるポリフェノール「ナスニン」は抗酸化作用が強く、がんや動脈硬化の予防に注目されています。
また、体の熱を逃がす作用があるカリウムを多く含むため、夏バテ解消に効果があります。なすは夏が旬なので、夏の間に意識して食べたいですね。
なすはチーズを乗せて食べると意外に食べられるかも!
ナスニンが多く含まれる皮ごとしっかり食べて下さい。
油との相性がよく、揚げなすの煮浸しや、マーボー茄子、なすの味噌炒めなど、しっかり目の味付けのほうがおいしく食べられます。
なすの柔らかい食感が苦手な場合は、グリルで焼いて食べてみてください。そのままでもいいし、ケチャップをかけてチーズをのせれば、なすピザの完成です。
苦手な野菜は、味が濃くて食感を消しやすいチーズと合わせれば何でも食べれちゃう気がします。
ほうれん草は栄養満点!さっと茹でることで食べやすくなることも!
緑の野菜は苦手な子どもが多いですね。
しかし、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜にはビタミン・ミネラルを多く含み、成長期にはかかせない食材です。
少しずつでいいので、慣れていってほしいですね。
ほうれん草の栄養価。貧血を予防し、免疫力を高め、骨の形成までサポートしてくれる
ほうれん草の栄養価は非常に優れていて、これだけの栄養素が含まれています。
- 鉄分:赤血球を作る材料となり、貧血を予防
- βカロテン:抗酸化作用が強い
- ビタミンC:免疫力を高めて風邪予防になる
- カリウム:摂りすぎた塩分を排出してくれる
- マンガン:骨の形成を助ける※ほうれん草の根元のピンクの部分に含まれる
冬が旬のほうれん草ですが、夏よりも冬に採れたほうれん草のほうが栄養価が優れており、甘くておいしく食べられます。
今では通年食べられる野菜が多いですが、食材の旬を知って食べることも大事ですね。
ほうれん草はさっと湯でてあえて食感を残してみる事も試してみる
ほうれん草には、シュウ酸というカルシウムや鉄分の吸収を阻害する成分も配合されています。しかし、シュウ酸は水溶性のため、一度茹でることで取り除くことができます。
また、葉物野菜には特有のえぐみもありますのが、そちらも茹でることで抑えることができます。
おいしく健康的に食べるためにもほうれん草は一度茹でてから調理しましょう。茹でた後は水にさらすことも忘れずに。
また、茹ですぎは禁物です。
水溶性ビタミンも水に流れてしまうため、さっと茹でるのがポイントですが、茹ですぎると食感も色も悪くなりますので、食べた時のおいしさが半減してしまいます。
ほうれん草が苦手な子の中には、柔らかい食感が苦手ということもあります。野菜にあったおいしく感じられる食感を試してみましょう。
炒めものやスープに入れる時も、さっと下ゆでしたものを使うほうがえぐみが残らず加熱し過ぎも防げるのでお勧めです。
ママパパが率先して苦手な野菜の様々な調理方法にチャレンジしてみる!
いかがでしたか?食材別に食べやすくなるポイントを紹介しましたが、他の食材にも使える調理のポイントを下記にまとめてみました。
- 野菜特有の匂いや味を抑えるため、さっと下ゆでをする
- 火を通しすぎない。食材にあった食感を残す
- 好きな食材と組み合わせる
- 一口でも食べることができたらしっかりとほめてあげる
- チーズをかけて焼いてみる
その他、野菜嫌いな子供にやってみて欲しい食べやすくなる6つの調理方法にも具体的に調理方法について紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
子どもの好き嫌いには、なんとなくイヤ、食わず嫌いもあります。
一口だけでも食べればOKという気持ちでチャレンジさせてみましょう。
嫌いな野菜だけで食べられるようになれば理想的ですが、なかなか難しいので、他の食材と混ぜて食べることができれば十分です。
最後の「チーズをかけて焼いてみる」は、苦肉の策というよりかは、案外おすすめです。
チーズと相性がよい食材は多く、子どもたちも好きなはずなので、今までの苦労はなんだったんだろうという具合に食べてくれることもあります。
ぜひ、野菜をバリバリ食べられる子どもになってほいしですね。