野菜嫌いな子供にやってみて欲しい食べやすくなる6つの調理方法

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保育園で勤務する管理栄養士です。主な投稿は、保育園での給食や気になる食のこと。スポーツ栄養は仕事じゃないけど、興味のある分野です。 #保育園栄養士 #管理栄養士 #調理師 #幼児食 #離乳食 #スポーツ栄養

「子供が野菜を嫌いで全然たべてくれない」
「口には入れるけどすぐに吐き出す」

このような悩みを抱えているママパパは多いのではないでしょうか?

このページでは、そもそもなぜ野菜をたべる必要があるのか?という理由と共に、野菜嫌いの子供が、口に入れやすくなる6つ調理方法について、保育園の現場で働く管理栄養士がご説明します。

子供が野菜を食べてくれなくて悩んでいるママパパは是非御覧ください。

3つの理由から野菜を食べる必要がある

まず、そもそもですが、なぜ子供は野菜を食べた方がよいのかに付いてご説明します。

野菜に含まれる代表的な栄養といえば、ビタミン・ミネラル・食物繊維ですが、これらの栄養素は体の中で生産できません。

野菜にはこれらが多く含まれているため、積極的に食物から摂取しなければならないのです。

では、野菜をあまり取らずこれらの栄養素が不足すると、どのような症状が起こるのでしょうか?次に3つあげてみました。

①便秘になる

野菜に含まれる食物繊維には、体の中の余分なものを掃除してくれる力があります。

食物繊維が不足すると便秘の原因になり、腸内に不要なものが溜まってしまい、腸内環境が悪くなってしまいます。

さらには、腸内環境が悪いと栄養素の吸収効率も悪くなってしまうのです。

②代謝力の低下

代謝が低下すると血行が悪くなり、体が冷えて体温が下がります。汗がかきにくくなったり、便秘になったり、老廃物の排出にも影響が出ます。

内臓の機能の低下にもつながり、せっかく摂取した栄養も吸収しにくくなります。

ご飯やパン等の炭水化物、肉や魚などのたんぱく質、脂質を摂取することで、成長のエネルギーや、骨や筋肉のもととなりますが、それだけでは、身に付きません。

それらを代謝するためには、ビタミンやミネラルを含む野菜の力が必要となるのです。

③病気にかかりやすくなる

ビタミン・ミネラルは、体の調子を整えて、免疫力をアップしてくれます。

抗酸化作用という効果があるように、体調の低下の原因から守ってくれるので、日ごろから摂取することが大事です。

野菜から取れる栄養素でしか補えないこともあるので、野菜を食べないといけない理由が分かってもらえたと思います。

子どもの1日の野菜の目安摂取量は210-300gとされているが、毎日100g分の野菜が摂取不足となっている

では、いったいどれくらいの野菜を食べなければいけないのでしょうか?

1日に必要な野菜の量は成人で約350gと言われています。どれくらいの量の野菜かというと大体ちなみに、350㌘の目安は両手の手のひらいっぱいに乗るくらいの量です。

では、子供の摂取量はどれくらいを目安にしないといけないのか?

子どもに必要な野菜の量は年齢によって若干変わってきますが、第6次日本人の栄養所要量の活用編の中で、210g-300gとされています。

では、毎日きちんとこの量を摂取できているのかというとそうではありません。

平成27年度国民健康・栄養調査によると、子どもの野菜の摂取量は約140-190gとあり、約70-100gが不足していることになります。

100gというとこれくらいの量の野菜が不足しているということになります。

  • トマト半分
  • 玉葱半分
  • キャベツ1/8個
  • きゅうり1本
  • なす半分

数値だけでみると、不足が多めですが、乳幼児期で野菜に慣れ始めたばかりで、量を食べにくいという背景もあります。

ただ、全体的に不足していることには違いなく、野菜嫌い・野菜離れ・野菜慣れをしていない、というところに原因があります。

子供が野菜嫌いになる要因は3つが考えられる

では、なぜ子供たちは野菜嫌いになるのでしょうか?

これには、人間の本能が働きかけているようです。

野菜の酸味や苦味を受付にくい

味には「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」という基本の味があります。

このうち「甘味」「塩味」「旨味」の3つは、人間が生きていくために必要な食べ物の味であると体に知らせるため、本能的に好まれる味と言われています。

しかし、「酸味」は腐敗物や未熟なもの、「苦味」は毒の存在を知らせる役割があるため、食の経験の浅い子ども達は、本能的に「酸味」や「苦味」を危険な味と認識して、受け付けにくいと言われています。

ただ、味覚は経験とともに変化するため、成長するにつれて「酸味」や「苦味」を味わえるように変わっていきます。

野菜の匂いや見た目に違和感を感じる

味にも同じことが言えますが、見た目やにおいがいつもと違うと人は警戒してしまいます

これも初めてのものを怖がってしまう生き残るための本能的な反応です。

初めて食卓に並ぶ野菜を見たときや、大人には好まれるくせのある香りなどは子ども達にとっては、恐怖の一種となるのです。

しかし、これも味覚と同じく成長するにつれて緩和され、2回目3回目と慣れると認知し恐怖は和らいでいきます。

食感の違和感を感じる

離乳食を思い出してください。赤ちゃんは歯がなく、消化器官が未発達のため、くたくたに煮たドロドロ状の離乳食を食べていましたよね。

成長するにつれて、歯が生えて固いものも食べられるようになり、消化器官も強くなり、塩味のあるものや揚げ物なども食べられるようになります。

ですので、子どもだからといって柔らかいものばかり与えるのではなく、食材にあった固さや切り方をし、子のみの形状を把握することも大切です。

保育園でも実施している好き嫌いをなくす6つの調理の工夫

ここからは、野菜の好き嫌いが少しでも少なくなる工夫を紹介していきます。

保育園でも実践し、効果がある方法も紹介しますので参考にしてみてください。

野菜の味が苦手という子どもには、野菜の下処理をしっかりしよう!

ほうれん草や小松菜などを使用するとき、生のまま調理すると野菜の味が残ります。

子どもが野菜を受付にくい要因である、味の部分ですね。おいしさに違いないのですが、苦手な子どもにとっては、食べにくい原因の一つになります。

さっと下茹でしてから調理すると野菜の青臭さが抜け食べやすくなります。野菜を水にさらすことも一つの方法です。

野菜の食感が苦手という子どもには?野菜をみじん切りやすりおろしてわからなくしよう。

よく聞く方法ではありますが、みじん切りやおろしてわからなくなる方法はやはり効果的です。

具体的に料理に合わせて調理方法の例をご紹介します。

  • ハンバーグ:人参やセロリ、ピーマンなどをすりおろして入れる
  • カレー:どんな野菜を入れてもいいので、ミキサーにかけて一緒に煮込む
  • ホットケーキ:ほうれん草が苦手なら、みじん切りにして入れる。バナナも一緒に入れると甘味も出ておいしく食べられます。

他にもこんな方法があります。スティック状に切る。

人参、大根、胡瓜などは、スティックに切って手で持ち、ドレッシングをディップする形で食べてみましょう。

いつもと違うことをすると面白がって食べてくれる可能性もあがるため、是非試してみてください。

かわいく飾切りする。

スティック状と似た対策ですが、可愛く飾り切るというのも一つの方法です。

野菜をハートや星型にくり抜いてあげるだけで、子どもたちのテンションは上がります。

単純ではありますが、見た目で楽しむことも重要です。

あえて大きく切る。

野菜をみじん切りにする方法を紹介しましたが、煮込み料理などは反対に大きく切りましょう。

お箸を使う練習にもなりますし、野菜が小さすぎると、一皿食べ終わるまでに口に運ぶ回数が増えてしまい疲れてしまって食べきることができません。

料理に合った切り方をしましょう。

好きなものと嫌いなものを一緒に出す。

レタスが嫌いな子どもにレタスだけのサラダを出しても、もちろん食べませんよね。

ハムを添えてあげて「一緒に食べるとおいしく食べられるよ」と声かけてあげたり、マヨネーズやこのドレッシングの味なら食べるというものを見つけてあげてください。

調理以外で野菜嫌いを対策する方法

いかがでしたか?

野菜嫌いをなくすための調理の工夫を紹介してきましたが、調理以外の部分でもおすすめポイントがあります。

  1. 一緒に料理して、食材に触れる機会を増やす
  2. お気に入りの食器を見つける
  3. 家族が楽しく食べているところを見せる。
  4. 無理やり食べさせるのはNG
  5. 嫌いなものでも、食卓にならべて慣れさせる

などなど、食事の雰囲気作りも大切で、子ども達の興味をひくことがポイントです。

野菜嫌いの子どもには野菜が嫌いな理由を理解した上で、味・におい・食感、さらには料理の見た目や子どもが食べたくなるような雰囲気を作ってあげることがポイントいえるでしょう。

ちなみに、野菜ジュースではいけませんか?という質問もよく聞きます。

ビタミン・ミネラルの摂取源にもなり、飲まないよりは飲むほうがよいと思いますが、野菜をそのまま食べる場合と摂取できる栄養素が違いますので、やはり野菜そのものを食べるほうがいいです。

また、市販の野菜ジュースでは、食物繊維摂取での問題があります。

食物繊維が残っている製法の野菜ジュースと、食物繊維が残っていない製法の野菜ジュースがあるので、成分をよくみて購入しましょう。

また、食物繊維には二種類あり、水溶性と不溶性があります。野菜ジュースに残っている食物繊維は水溶性で、不溶性の食物繊維は含まれておりません。

食物繊維は便秘解消に効果がありますが、水溶性と不溶性のバランスも重要で野菜ジュースに含まれる水溶性食物繊維だけを摂取しても、体の状態により便秘解消にならない場合があります。

野菜ジュースだけに頼らず、しっかりと野菜を食べることが必要となります。

市販の野菜ジュースよりは、ご家庭のジューサーなどで作った手作り野菜ジュースであれば、栄養素の損失もすくなく、食物繊維も摂取できるので、おすすめです。

ある日を境に、突然と野菜を食べられるようになった、という話も聞きますので、野菜が嫌いだからといって無理強いし過ぎず、長い目で見てあげることも必要です。

一口だけたべただけでも、大げさに、えらいね!よく食べたね!とほめてあげてください。きっと喜んでもう一口食べてくれますよ。

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