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小学校で先生といい関係を築くための考え方と問題が起きた時の対策方法

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ワタセショー
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消しゴムはんこをひたすら彫り進める小学校教師(11年目)です( ̄∀ ̄)これまで56446256556年を担任。子育ての際に「どうしたらいいんだろう?」というよく教育現場で耳にする疑問を中心にお答えします。

小学校に入学すると、これまでの幼稚園や保育園と比べて、先生とどのように関係を築くのが良いのか悩む方も多いでしょう。

小学校からは、登下校を子どもだけですることがほとんどであるため、担任の先生と話す機会は激減しますね。加えて担任1人で40人近い子どもを担当するため、一人一人の親御さんと毎日あったことを話すということはほぼ不可能です。

そのような状況になる事から、担任の先生がきちんと自分の子どもを見てくれているか?不安になる方が増えるのだと思います。

私は親であり小学校教師である立場から、担任と保護者がタッグを組んで子どもを育んでいくことができる関係が望ましいと考えます。

保護者が「学校の様子は大丈夫か?」と思う場合もあれば、先生が「家庭での様子は大丈夫か?」と不信に思う事もあります。お互いが「大丈夫か?」と不信感を抱く前に、しっかり連携をとり合えるよう、働きかける必要があると感じます。

今回は保護者の皆さんが気持ちよく、何よりもお子さんがすくすくと成長できる環境づくりについて一緒に考える機会となればと思います。

子どもの担任はいい先生?15項目でチェック

まずは私自身の教師としての感覚と、親として息子の通う小学校に求めていることから、「こんな担任なら信頼できる」という項目を挙げてみます。

あくまで私の主観によるものですので、これだけで「あ、うちの子の担任はダメだ!」とはならないようにしてくださいね。

  1. 子どもの連絡帳の字が四月から丁寧になった。そしてそれが続いている。
  2. 子どもの授業ノートをマメにチェックしコメントが入っている。
  3. 子どもが学校であったことを家でよく話すようになった。
  4. 子どもが学校で叱られたことをきちんと話すようになった。
  5. 学校でのトラブルを連絡帳や、場合によっては電話で伝えてくれる。
  6. 大きなトラブルを自分だけでなく、管理職や主任と連携を取り、解決に向かおうとしている。
  7. 懇談会で教師の話ばかりでなく、親の話を積極的に聞こうとしている。
  8. 子どもが先生に対する不満を家で言わない。
  9. 子どものテストのやり直しがきちんとできている。
  10. テストを定期的に持って帰らせ、保護者にも見てもらえる体制を作れている。
  11. 休み時間や放課後はできる限り子どもと遊ぶ時間を作っている。
  12. 子どもが読書をするようになった。
  13. 子どもの宿題をやる時間等、生活習慣が改善されてきた。
  14. 学級通信等、学級であったことを積極的に発信している。
  15. 子どもが「学校が楽しい!」と胸を張って言える。

あげ出すとキリがないのですが、ひとまず15項目。

これで担任の先生の全てがはかれる訳ではありません。(1つも当てはまらない先生はちょっとまずい気がしますが笑)

まずはお子さんの担任の先生を信用しようとすることから始めていただきたいですし、そのための指標の1つとしてご参考にしていただければと思います。

先生の立場からみる「いい保護者」とは?

そんなこと先生も言われなくても!と思う方もいるかもしれませんが、先述の通りいい関係とは、保護者と先生がタッグを組むようなことだと思います。

いい関係を築くために、私が担任をする上で「こういう保護者の方、ありがたい!」と感じるポイントについてまとめてみたいと思います。

こちらも私の主観によるものですので、「あー、自分は全然できてない。ダメな保護者だ。」と感じる必要は一切ありませんので、フランクに見ていただければと思います。

  1. 家でよく子どもの話を聞きコミュニケーションを取っている。
  2. 子どもの気になることがあれば連絡帳や電話で担任に話を聞く。
  3. 子どもを褒める機会を意識してとっている。
  4. 子どもが宿題等の提出物を忘れずに持ってきている。
  5. 連絡帳を毎日読み、保護者欄にチェックを入れている。
  6. 塾や習い事の量が子どもの負担になっていないか考え、調整できる。
  7. 子どもが学校で誰と仲が良いのか等人間関係をある程度把握している。
  8. 懇談会等では先生の話を聞き、家との違いを伝え共有している。

立場上、あまりたくさん項目をあげられませんが(笑)、私が教師として考える「いい保護者」とは「お子さんと密にコミュニケーションをとり、担任と情報を共有し、複数の眼で子どもを育める人」だと思います。

「休みの度にどこかへ連れて行ってあげる」や「毎日学校の送り迎えをしている」というのもいい保護者と思われがちですが、先にあげた項目の方が重要と私は思います。

問題が起きた時の学校へ相談する方法と順序

とはいえ、なにか子どもに異変があると感じた場合は、遠慮なく学校に相談してみましょう。

ただその際に、一点注意点が。

「担任を変えてほしい」という希望は通らないでしょう。

我々教師は基本的に担当する学年や校務分掌を希望はできても、決定権は有していません。学校長が、学校経営する上で、適材適所で担当を振り分け、決定していきます。

教師が子どもを選べないのと同じように、保護者も教師を選べません。

お子さんが「あの先生いやだ!」「こんなところが嫌いだ!」と言い出した時、親がそれに同調してしまえばあっという間に教師との信頼関係が崩れ、最悪の場合「学級崩壊」「教師の不登校」が現実となってしまいます。

子どもが担任に不信感を持っていると感じたら、その原因をきちんと聞き取ることから始めてください。そして、大切なのは「できるだけ子どもと教師との関係を崩さない」という心構えを持っていただきたいのです。

それでも「どう考えてもこの先生おかしい!」と不安になることもあると思います。

これだけは直してもらわないと困る!というという時、どうすればいいのか。教員目線で考えてみました。

連絡帳や懇談会等で担任にそれとなく伝える

「うちの子、先生が苦手だと言うんです。学校での様子はいかがですか?」と直接聞けるような関係性であれば聞いてしまいましょう。

難しければ、連絡帳を通じて、あるいは懇談会のタイミングで伝えましょう。

それを言われてはっとする先生もたくさんいると思います。

毎日たくさんの子どもと関わる中でコミュニケーションが一部疎かになってしまうことは十分にあり得ます。それをきっかけに関係改善されることは十分にあり得ます。

学年主任に伝える

担任本人に直接言えない場合は、その学年主任に伝えるのが次の段階です。

当該担任が学年主任の場合は次の段階である「管理職」へ伝えましょう。

大抵の場合、若い先生と中堅・ベテランで学年団が構成されています。

ほとんどの学校で、月に数回「学年会」等で担任同士で情報を共有し、足並みを揃えるような機会があります。

保護者から直接連絡が来たとなれば翌日には対応すると思いますので、言いにくいことがあれば学年主任を電話や学校に出向いてでも呼び出してもらい、お話しされてもいいと思います。

学年主任とは、そういう役職ですので、遠慮はいりません。

教頭先生に伝える

問題性を強く感じた場合、急を要する場合、また当該担任が学年主任の場合、教頭先生に伝えましょう。

いきなり学校長では取り合ってもらえない可能性もありますので、順序としては教頭が最初です。教頭先生に時間を作ってもらい、話をすれば学校長には必ず伝わります。

そして、内容によっては担任への指導、教育委員会への報告、学校全体で共有、等の判断がなされ、然るべき対応をとると思われます。

たまに、直接教育委員会にお電話される方がいらっしゃいますが、それは管理職の対応がまずかった時だけにしてください。委員会の人が来る時は先に学校長に連絡がいってますので、結果教頭に話をするのと同じことになるでしょう。

ここに書いたことは「最悪の場合」です。

基本的に教師も保護者も「子どものために」日々子ども達との関わりを大切にしています。

その関係性を崩さないことが最優先課題であるということだけは常に意識して欲しいと思います。大人同士がよい関係を築いていることは子どもにとってはこの上ないセーフティネットとなっているのです。

先生と保護者がタッグを組んで子どもを育む環境作りを

近年、学校に対する保護者からのニーズが多様化している現状に加え、「教師の若年齢化が進んでいる
」「核家族化による大人同士の関係性の希薄化等」により教育環境が弱まっていると私は感じています。

こういう時代だからこそ、子ども達のために必要なのは、大人がタッグを組んで子ども達を「育む」ということです。

「育てる」と「育む」は下記のように意識して使い分けています。

育てる
例を挙げると植物に水をやるような状態。こちらが能動的にアクションを起こし対象が成長する、という意味合いが濃いです。
育む(はぐくむ)
親鳥が雛を大きな羽で守り育てる「羽包む(はねぐるむ)」という言葉が語源だと言われています。子どもが本来持つ、自らを成長させる力を最大限引き出せる環境を大人が用意するという意味だと私は思います。

大人がアクションを起こし、子どもを「育てる」のではなく、大人が手を取り合い、すくすくと成長する機会を奪わないように「育む」世の中になることを切に願います。

そのためには教師と保護者の良好な関係、連携を取り合い一緒に教育に携わることが最も大きなカギをにぎっているのだと確信しています。

教師は教育のプロとしての視点、親は親だけが持っているセンサーを最大限に活用し合うことで、今お子さんに対して持っておられる悩みも、今お子さんが感じている不安やストレスも、拭い去ることにつながるのだと思います。

色々と偉そうなことを書きましたが、私は教師としても親としても未熟です。今後もずっと未熟でしょう。

しかし今回のお話が、たった1人でもお子さんに対する悩みを解決の方向に向かわせることができたのなら、心から嬉しく思います。一緒に子ども達を「育む」仲間が増えることを祈っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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