ノロウイルスに感染しないための食事とかかった時の対策方法
- yuzu.jiiya
保育園で勤務する管理栄養士です。主な投稿は、保育園での給食や気になる食のこと。スポーツ栄養は仕事じゃないけど、興味のある分野です。 #保育園栄養士 #管理栄養士 #調理師 #幼児食 #離乳食 #スポーツ栄養
冬になると「ノロウイルスによる集団食中毒」というニュースを耳にする機会が増えてきますね。
下痢や嘔吐を引き起こすノロウイルスですが、感染した場合どのように対処すればよいのか?
ノロウイルスにかかった時の食事に焦点をあててみました。
- ノロウイルスの症状
- ノロウイルスの感染経路
- ノロウイルスの予防策
- ノロウイルスにかかった時の食事
- 症状が落ち着いた時の食事
上記5つのフェーズに分けて紹介するので、ご覧ください。
ノロウイルスは感染する可能があり高齢者の場合死に至ることもある症状
ノロウイルスの潜伏期間は1-2日で、主な症状は嘔吐と下痢です。
そのほかに、
- 腹痛
- 頭痛
- 発熱
- 悪寒
- 倦怠感
なども引き起こすこともあります。
一般的には、2-3日で回復しますが、抵抗力の低下している高齢者の場合では脱水や体力の低下により、死に至るケースもあるため、怖い症状ですね。
知っておいてほしいことは、症状が回復しても、1-2週間、長いと1か月ほど糞便中にウイルスを排出し続けるということです。
症状が回復したからと安心せず、二次感染に注意が必要です。
では、ノロウイルスにかかってしまった場合、どのような食事が食べられるのか?
ノロウイルスの症状が発症している時の、食事についてご紹介します。
ノロウイルスにかかった時は水分と塩分を補給しながら絶食
ノロウイルスにかかってしまい、腹痛や下痢があるときは、食欲がないと思います。
嘔吐や下痢が続く場合は、無理に食事をしても逆効果。
ですので、ノロウイルスの時は無理に食べず絶食し、胃腸を休めることを考えてください。
1-2日くらいなら何も食べなくても問題はありません。
不快感が収まるまで待ちましょう。
ただ、下痢や嘔吐が続くと脱水症状になりかねませんので、水分の摂取は必要です。
ただの水より、経口補水液やスポーツドリンクで水分+塩分の補給がよいでしょう。
中には、味が濃く感じる場合がありますので、少し薄めて飲んでも構いません。
冷やしたものは胃腸を冷やしてしまうため、人肌に近い温度や常温程度で飲むほうが好ましいです!
ノロウイルスの症状が落ち着いた時の食事
痛みや下痢が落ち着いて、食事がしたいな、と思い始めたら、食事を再開しましょう。
いきなり普通の食事ではなく、胃にやさしい消化の良いもの、温かいものから食べ始めます。
ご飯でなはくおかゆや素うどん、人参、さつま芋、南瓜を使った煮物や野菜スープなどがおすすめです。
いずれも、胃腸に負担をかけないために、味付けは薄めです。
消化に時間がかかる揚げ物や菓子類、脂肪の多いものは避けてください。
さらに食欲が出てきたら、たんぱく質をプラスします。
脂肪の多い肉類ではなく、豆腐や卵、白身魚や鶏むね肉などが適しています。
食事を再開してから1-2日すると、体調もほとんど回復してくると思いますので、不快な症状がなくなれば、今まで通りの食事に戻してもよいでしょう。
症状が落ち着いた時の食事は、「風邪に摂取すべき栄養素と注意ポイント」の記事に掲載したレシピ・内容も参考になると思います。
では、そもそもノロウイルスはどのように発生するのか?
感染経路についてご紹介します。
ノロウイルスの感染経路
ノロウイルスになる一番の原因は、ノロウイルスに汚染された生カキや貝類を十分に加熱しないで摂取した場合です。
そのほかには、ノロウイルスに感染した人が十分に手を洗わず調理することで、ノロウイルスに汚染された食品を摂取した場合もあります。
また、ノロウイルスを含む糞便や吐しゃ物を処理した後、不適切な処理により残ったノロウイルスを取り込んでしまった場合もノロウイルスに感染するため、注意が必要です。
ノロウイルスにかかりたくてかかる人は当然いません。
一度かかってしまった人は人に移してしまう可能性もあるため、予防方法もきちんと理解しておきましょう!
ノロウイルスの予防策は手洗いうがいの徹底
ノロウイルスは、他のウイルスでは発症しないような少量の摂取(数十個~百個程度)で感染します。
さらに、ノロウイルスに感染した人の吐しゃ物や糞便には数十万個~数億個も含まれているといわれており、感染したひとから、感染した食品や媒体から、容易に感染することが予測できます。
したがって、最も重要なのはウイルスを口に入れないことに重点を置きに、手洗い・うがいをしっかりとすることです。帰宅時、食事前、トイレの後には必ずしっかりと手洗いをしましょう。
また、調理をする際にも、ノロウイルス予防のポイントがあります。
食品を調理する際は、しっかりと加熱調理を行い、ノロウイルスが死滅する中心温度85℃で1分間以上の加熱を行いましょう。
そうする事で、ノロウイルスを予防することができます。
ノロウイルスにかかったら
いかがでしたか?
いざ、病気にかかるとどのように対処していいかわからなくなります。
医者にかかったはいいものの、その後の家での過ごし方も心配ですよね。
ノロウイルスにかかった時の食事、ということも重要ですが、難しく考えすぎず、風邪で食欲が出ないときの食事、発熱して寝込んでしまった時の食事も全部ひっくるめて、「胃腸に負担のかからない食事」を考えてみてください。
やわらかいもの、脂っこくないもの、温かいものがキーワードです。
そして、水分と塩分の補給も忘れずに。小さなお子様の場合は、離乳食を参考にしてみてください。