小学校教師が本気で解説!なぞなぞの本の意外な3つの効果
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消しゴムはんこをひたすら彫り進める小学校教師(11年目)です( ̄∀ ̄)これまで56446256556年を担任。子育ての際に「どうしたらいいんだろう?」というよく教育現場で耳にする疑問を中心にお答えします。
以前書かせていただいた「小学校の現場で実感した読書の3つの効果と子どもを本好きにさせる方法」の中で、本を3冊買うという実践例をご紹介させていただきました。
私の息子もついに小学校に入学し、四月から実際に書店へ出向き
- 子どもが読みたい本(漫画でもなんでもOK)
- 親が読ませたい本(できるだけ読み物)
- 親子で楽しめる本
の3冊を購入しました。
その中の③親子で楽しめる本にあたるもので、思わぬ効果が期待できる本と出会いました。それが「なぞなぞの本」です。
なぞなぞの本は出題者側、回答者側、そのどちらに立っても子どもにとって様々な効果が期待できるツールです。
「なぞなぞの本なんて、ただの遊びの本」「効果があるとは大袈裟だ」とお思いかもしれませんが、侮ってはいけません。
この記事を読み終わる頃には「一冊くらいあってもいいかな?」と思っていただけると思います
“たかがなぞなぞの本”について、小学校教師として本気で解説してみたいと思います。
語彙力増加が期待される
まず一番わかりやすく、効果が最も現れやすいものが語彙力の増加です。
ご存知「語彙力」とは言葉・単語をどれだけ知っているかの力です。
現代社会において、テレビに出ているアナウンサーですら語彙力を疑うようなことすらある程、日本語を知らない日本人が増えています。
私は小学校教師をしていて、この10年ほどで子ども達と話をしていても、
「〇〇って何?」「それ、どういう意味?」と聞かれ、話を中断して説明するような事が増えてきたと感じます。
子ども達にとってゲームやスマホで使用する言葉の語彙はおそらくこの10年で目まぐるしく増えている事でしょうが、その反面日常生活で使用する言葉の語彙は確実に低下していることを感じます。
正直「え、こんな言葉の意味をしらないのか、どう説明しよう。」と思ったことも何度もあります。そもそも知らない言葉が多すぎると、読書もできないと思います。
前置きが長くなりましたが、この語彙力の低下に歯止めをかけるのに「なぞなぞの本」は大変効果的なのです。
なぞなぞの本は少し大きめの書店にいけば「1.2年生向き」や「高学年の〜」とカテゴライズされており、その学年にあった言葉を身につけられるようになっています。
ご購入される際は、背伸びせずお子さんの学年にあったものをお選びいただくことが大切です。
私がこの度購入した本では、問題のページに挿し絵でふんだんにヒントが盛り込まれています。
ひとりで読みながらでも楽しく解き進めることができますが、ぜひお子さんには「出題者」も「回答者」も経験できるよう、親子で楽しみながら取り組ませることをおすすめします。
出題者側でも回答者側でも、なぞなぞの本を読むと必ず知らない言葉と出会います。
私の息子は、知らない言葉と出会うと「〇〇って何?どういう意味?」と聞いてきます。まずそこで、新しい言葉を獲得することになります。
以前なぞなぞの本で「かいさつぐち」という言葉を知った次の日に電車に乗ることがありましたが、「あっ、昨日なぞなぞの本で出た改札口や!」と、どんななぞなぞだったかを思い出していました。
きっと学校の遠足で友達にこのなぞなぞを出すのだろうなと容易に想像できます。
読書活動でも新しい言葉は獲得できますが、一問一答のなぞなぞだと、知らない言葉と出会い易いという特徴があるのだと思います。
そして、それらを友達や親に出題することで知った言葉を使い易いのです。つまり、なぞなぞの本は語彙のインプットとアウトプットのどちらの活動も経験できるというわけなのです。
知識は獲得するだけでは意味はなく、使ってナンボです。なぞなぞの本は、容易にその経験が得られるというわけです。
文字慣れ、文をセンテンスで捉えられるようになる
読書をあまりしない子ども、苦手な子どものほとんどは文章を文字だらけでしんどいという捉え方をしています。
小学校1年生の教科書をもしお待ちなら開いてみてください。
大人でも読みにくいと感じると思います。
この原因は、ほとんどがひらがなで文をセンテンスで捉えにくく、文字だらけだと感じるからです。
文章の読みにくさを教科書で感じるというのはとても皮肉なことですね。
低学年の教科書はセンテンスごとに空白を設けて、多少は意味として捉えられるよう工夫されていますが、やはり漢字が使われている文の方が我々は読みやすいと感じるのではないでしょうか?
さて、こういった問題を解決させ、お子さんが文章を意味やセンテンスで捉えられるようになるには短い文章をたくさん読むということに尽きます。
やはりここで活躍するのが「なぞなぞの本」なのです。
なぞなぞは出題者側が言葉の意味をわかってなければたどたどしく、まさに一文字一文字読むような様子が見られるかと思います。
お子さんを出題者側にして、確かめてみてください。すらすらと読めているのであれば、なぞなぞの問題の意味を理解しているということがわかります。
そして、これを続けているうちに、宿題の音読とは比べ物にならないほどたくさんの文章を楽しみながら読んでいるという状況になります。
なぞなぞの本は楽しみながら文章を読むという経験を得やすく、知らず知らずの間に音読に強い子どもに育つことが期待できるというわけです。
親子のコミュニケーションツールとしても最適
なぞなぞの本がもたらす3つ目の効果は、親子や友だちとのコミュニケーションツールとしての活躍です。
私の息子はオセロや将棋、サッカー盤、ウノやトランプが大好きでよく「一緒にやろ!」と誘ってきてくれるのですが、なかなか家事や仕事等で時間が取れず「また休みの日にでもやろっか」と先延ばしにしてしまうことがありました。
私は他の記事でも親子のコミュニケーションの大切さについては何度もお伝えしているかと思いますが、現状なかなかお子さんとの時間をとることができないパパママが多いことも重々承知しています。
しかしなぞなぞの本は、子どもが出題者側をしていれば、親は家事で手を動かしながらでも一緒に楽しむことができます。
でも、できれば机に向かい合って座る等、きちんと顔を付き合わせて取り組んであげるのが一番ですので、そのあたりは人としてのマナーの範囲でご判断くださいね。
親子で3人以上いれば、対決スタイルにしても面白いですし、なぞなぞの本は使い方次第でコミュニケーションツールとしての効果は大きくなると思います。
一冊親子で楽しんだとしても、今度はその本を知らない友達に問題を出すこともできます。なぞなぞをたくさん知っていると学校で友達の輪の中心になることもあります。
私も教室になぞなぞの本を5冊ほど常備しています。教師という仕事となぞなぞの本の相性がいいのは、このコミュニケーションツールとしての役割に起因するのかもしれません。
なぞなぞ本を選ぶ際の5つのポイント
なぞなぞの本にはかなりたくさんの種類があります。
迷われると思いますので、選ぶときのポイントについてお話しします。
あくまで私個人の考えによるものですので、こういう本はダメだということは全くありません。
なぞなぞの本選びの参考程度にご覧ください!
学年、年齢にあっているか
先述ですが、大きめの本屋さんにいけば対象学年のようなものが設定されていると思います。
もし、わからなければお子さんの国語や算数の教科書と同じような文章量、漢字の量であるか見てみましょう。
出題テーマごとにわけられているか
なぞなぞの本の中で、「町中のなぞなぞ」「八百屋さんのなぞなぞ」といったテーマ分けがされていると抵抗なく読み易くなります
子どもでも読みやすい字の大きさか
字が細かいと、それだけで読む気がなくなります。
「すらすら読める⇄モチベーション維持」という関係は読書と同様大切な要素です。
問題文が簡潔であるか
字の大きさと同様、問題文が短いことも大切です。
1つのページに長文で問題が書いてあるようなタイプだと、2、3問で出題者側も回答者側も疲れてしまいます。どんどん進められるものがいいと思います。
ページ数、問題数が適量であるか
「小学校6学年分、この一冊でいこう」というような分厚いなぞなぞの本が意外とたくさんあります。
あまりにも薄っぺらいものを選ぶ必要はありませんが、分厚い本は大人でも開くのに勇気のようなものがいりませんか?笑
「気楽に取り組める」というなぞなぞ最大のメリットを消してしまうようなものは避けたいところです。
最後に
なぞなぞの本の3つの効果についてお話しさせていただきました。
「読書させたいけど、そもそも字を読むことが苦手」「うちの子は知らない言葉が多すぎる、どうしよう」という方や「親子でコミュニケーションとりたいけど、なかなか時間が作れない」という方にとって、なぞなぞの本が起死回生の一冊になればという思いを込めてお話しさせていただきました。
この記事を読み終え、「日曜日にでもちょっと本屋さん見に行こっか?」という方が一人でもいらっしゃれば嬉しいです。
改めて親子間コミュニケーションの大切さを感じていただけるようであればさらに幸せなことです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。