勉強についていけない時は塾か通信教育商材か?検討のタイミングと我が子にあった判断方法
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消しゴムはんこをひたすら彫り進める小学校教師(11年目)です( ̄∀ ̄)これまで56446256556年を担任。子育ての際に「どうしたらいいんだろう?」というよく教育現場で耳にする疑問を中心にお答えします。
「うちの子、学校の勉強ついていけてるのかな?」
「お友達はみんな塾に行き出してるみたい。うちの子はどうしよう。」
学校でのお子さんの学力がどのレベルなのか気になりますよね。
私は小学校の教員としてこの10年の中で高学年を担当することがほとんどなのですが、「勉強面はまったくもって気にしません」という保護者の方に出会ったことはありません。同時に「最低限ついていけていればいいです」という方の多さも感じます。
子どもが将来自立して安定した職に就く上で、やはり「最低限の学力」は必要になってくることを誰もが知っているからだと思います。
このページでは、塾や学習商材の検討のタイミングと検討の仕方について、元塾講師・現小学校教員目線で考えていければと思います。
「小学校のうちは自力で」「中学校からは塾に行かせる」等の一定の目安をすでにお持ちのパパママにとっても、お子さんの学習面を見直す機会になればと思います。
塾や通信商材を始めるタイミング。各家庭にあったタイミングで判断を
まず最初にお伝えしておきたいことは、私自身は自分の息子に対して、本人が強く希望しない限り小学校のうちに塾に入れたり学習商材をさせるつもりは今のところありません。
少し参考にならないかもしれませんが、それは下記2点からそのように判断しています。
- 私自身が「勉強についていけているか」のものさしをはっきり持っている
- 家でも時間を作って子どもの学力補充できるからです。
あとは、もちろん学力も必要なのですが、それ以上に息子には読書ができる子どもに育って欲しいという思いが強くあるからです。
「小学校の現場で実感した読書の3つの効果と子どもを本好きにさせる方法」記事でも書かせていただいていますが、私は小学校低学年期に塾や学習商材にかけるお金があれば本を一冊でも多く読ませる方が良いと思っています。
読書がもたらす学習効果ははっきりしており、「本を読める子=勉強ができる子」だとすら考えているからです。
少し脱線してしまいましたが…
前提として、私が勉強についていけているかの判断をすることができ、家でも時間を作って子どもの学力補充をする環境にあるためそのように判断しているということはご理解ください。
では、塾や学習商材を始めるとしたらどのタイミングが良いのでしょうか。判断方法について考えてみます。
塾でも通信教育商材でもはじめるのであれば早い方がよい
まずはっきりと言えるのは早ければ早いほど効果的だということです。
当たり前ですよね笑
しかし、お子さん自身が学力を補充することの必要性を感じてもいないのに始めても効果は低いと思います。
家庭でしっかりと勉強の重要性や必要性について何度も話をした上で、始めるようにしましょう。
親が「さすがに塾に行かせないとまずいのでは…」と思う頃には、お子さんの学力はかなり厳しい状態にあることが多いです。
そうなると「最低限学校の学習についていけるようにする」という低い目標設定を余儀なくされ、将来の高校受験や大学受験で勝負することにまで視野が及ばなくなることも多いのではないかと感じます。
日頃から親子のコミュニケーションを増やし子どもの状況を確認。子ども自身からはじめるタイミングを引き出すことが重要
「早く始めた方がいい」→「子どもが必要性を感じなければ意味がない」→「その頃には手遅れになっていることが多い」
とても矛盾していますよね。
何が言いたいのかというと、日頃から学習面についてお子さんと話をしていることが大切だということです。
話す機会はいつでもかまいませんが、テスト返却時や通知表を持って帰ってくるタイミングでもいいでしょう。
決して怒るのではなく、「どう思う?」と客観的にお子さんに成績について考えさせましょう。
そして将来にも目を向け、見通しを持たせた上で「塾みにいってみる」「もうちょっと授業を頑張ってきく」等お子さんから声を引き出して欲しいのです。
親も子も必要性を感じて始めるのなら、そのタイミングはいつだってかまわないと私は思います。
日頃のコミュニケーションツールとしてテストの答案用紙を使うのはとてもいいと思います。
くれぐれも怒らないでください。大切なのは「学力を客観的にみさせる」ということです。
3つのモデルケースから見る塾。通信教育のはじめるタイミング
これだけ述べておいて「いつだってかまわない」は少し乱暴な気もします…w
基本は先述の通り子どもとの話し合いで決めていただきたいですが、イメージができるよう私なりに考えてモデルケースも記載してみます。
- 《モデルA》
- 小学校低・中学年期は読書活動にお金も時間も投資し、高学年期からいずれかを開始する。
- 《モデルB》
- 1年生から通信教育商材に取り組み、読書も併せて進める。様子を見て塾も検討していく。
- 《モデルC》
- 塾で勉強するという環境に慣れるためにも早い段階から入塾させ、継続できるよう努める。
人により重要とするポイントは違うと思いますが、私は低学年期からの読書はとても大切と実体験より判断しているため私としては外したくない要素です。
決してお子さんの負担とならないようしっかり考え、向き不向きを知っていきましょう。
塾?通信教育商材?時間のある家庭は通信教育商材がおすすめ
さて、お子さんのモチベーションが高い(多少はやる気になっている)ということを前提に塾や学習商材を始めるとしましょう。
こちらに関しては私自身も「絶対こっちがオススメ」とは断言できません。それぞれのメリット、デメリット、費用対効果を踏まえた上で、お子さんにあったものを選ぶのはみなさんの仕事です。
私は以下の内容が、みなさんにとって少しでも効果的な判断材料となるよう、しっかり考えさせていただきます。
塾のメリットとデメリットとは?
勉強のプロに任せることにより家庭での学習面での負担が激減することが塾のメリット
塾の最大のメリットは勉強のプロに任せられるということです。
どんな塾を選ぶかは後述するとして、塾ではしっかり学習面のサポートをしてくれます。
学校の先生が学習以外のことも多く考えないといけないなか、塾の先生は学力のことだけをしっかり考えてくれるわけです。
これは安心できることでしょうし、何よりも塾は家庭での学習面への負担が激減されるのがもっとも大きなメリットといえますね。
費用・塾選びの失敗の可能性などよりハイリスクハイリターンであることがデメリット
当然ですが学習塾にはお金がかかります。
また塾選びを失敗する可能性がリスクとして挙げられます。
「通い出すとやめにくい」というのも塾のデメリットとして挙げられます。
これらより、塾はハイリスクハイリターンだと言えます。
費用は地方や目的によってかなり変動しますが、
- 小学校4・5年生で月額8,000円〜18,000円程度
- 中学受験を視野に入れた場合は35,000円〜50,000円程度
高学年になると上記に加え、夏期講習等の講習料がさらに数万円〜数十万円かかります。
家庭の学習面の負担は減っても、経済面での負担は大きいと言えます。
通信教育商材のメリットとデメリットとは?
高いコストパフォーマンス。臨機応変に対応できることもメリット
通信商材の最大のメリットは、高いコストパフォーマンスでしょうか。
プロが添削指導してくれるものや、テストが付いており家庭で完結させられるもの、タブレット等で常に本部と繋がっているもの等、いまや通信教育商材の形態は様々です。
費用はざっくりと下記くらいでしょう。
- 低学年期であれば月額2,500円〜5,000円
- 高学年期でも5,000円〜8,000円程度
夏期講習のような講習会にかわる、夏期特別教材等も追加料金数千円〜15,000円程で選択できるようになっていることがあります。
お子さんと財布と相談しながらやれる量を無理なくできるというメリットがあります。
塾に比べると、始めやすく辞めやすいということもメリットだと言えます。
子どもに合っていない気がすると思えば、退会手続きをとればすぐに辞められますし、選ぶ時も、複数の通信教育商材を比べて試すということも可能です。
ほぼ全ての通信商材が「お試し期間」「お試し教材」等を設けていますので、塾を探し回るよりも簡単に比較することが可能です。
親がしっかりと横についてあげないとモチベーションを保つことができないのがデメリット
通信教材の最大のデメリットは子どものモチベーションを保ちにくいということです。
飽きて辞めることを避けるためには、横についてみてあげる、わからないところは一緒に考える等で親がしっかり介入する必要性が出てきます。
ただ、考えようによってはコミュニケーションツールとしても利用できるともいえます。
毎日一緒に教材をすることで、苦手なことやできるようになったことなどを判断できるようになることは、メリットともいえるのではないでしょうか。
そう考えると、親の時間さえあれば通信教育商材を、時間がない家庭は塾を選ぶかどうかを判断するのがいいのではと思います。
では、次に塾を行かせようと考えた方は、地域でも数明日塾の中からどの塾を選ぶべきなのか?
塾の選び方について考えてみたので、ご覧ください。
塾を選ぶポイント
いまや都会や駅の周辺はどこをみても塾があるというほど、選択肢が多く迷ってしまいます。
ここではお子さんにあった塾の見つけ方について、元塾講師の経験を活かしてお話しさせていただきます。
塾には大きく分けて以下の6パターンあります。
まずは、候補にしている塾がどれに属しているのかは事前に把握しておきましょう。
それぞれのメリットデメリットについて下記にまとめるので、当てはまる塾の特徴について確認してみてください。
集団指導塾は友達と切磋琢磨しモチベーションを維持しやすい
集団指導は数人〜数十人に一斉に授業が行われる指導形態です。
友達と自分を比較することで競争意識が芽生える他、自分の学力がその集団の中のどの位置にあるのかがわかるというメリットがあります。
ある程度学力があれば、モチベーションも保ちやすいのですが、自分だけがついていけてないという状況に陥ったとき一気にやる気を損ない学力低下につながるリスクもあります。
しかし、普通の塾なら先生たちもプロとして目を光らせ、個人面談を入れたり、部分的に個別指導を行なってケアしてくれると思います。
個別指導塾はその子にあった苦手対策などもしてくれる
個別指導も細かくわけると先生1人に対して子どもが1人のマンツーマン指導や、子ども3人程度を同時に受け持つタイプのものもあるようです。
個別指導のメリットはやはりきめ細やかな対応で、その子に合った苦手対策をしてくれるということがあげられます。
当然、講師1人に対して子どもの人数が少ないことで個別指導は集団指導に比べて料金が高い場合が多いです。
これは私個人の意見ですが、個別は当たり外れがかなりある印象です。
個別指導の塾は、個室さえあればどこでも店舗を持つことができるため事業として始めやすいことから、指導力にムラがあるともいえます。
ですので、プロがしっかりカリキュラムを持って指導してくれる塾を探せる視点が必要となります。
小学校の学習内容は積み上げ式のため復習型ではなく先行型の塾がおすすめ
続いて、横軸も紹介。
復習型の塾と先行型の塾を一気にご紹介しますが、復習型の塾はここでははっきりとこれはオススメしません。
学校でわからなかったところを拾い上げて学習し直すスタイルは、テストの点数に結びつきにくく、子どもにとっては負担しかないと考えます。
「拾い上げてもらって何とかついていけてるんです」という意見もあるかと思いますが、小学校の学習内容は「積み上げ式」のため、先行学習型であっても復習活動は取り入れられているのです。
先に学習した知識を学校の授業で復習するという形は、テストの点数にも反映されやすく、子どものモチベーションは保ちやすいですよ。
中学受験を考えている場合は受験対応型の塾へいくことをおすすめします
「受験対応型」に関しては全くの別物です。
小学校のカリキュラムは中学受験に対応していないというところで、中学受験には塾はマストになります。
中学受験をお考えであれば、必ず「中学受験対応」の塾を選ばないといけません。
普通の塾なら「うちは中学受験対応していませんよ」等の説明は必ずされるのですが、塾が増えすぎている昨今、こちらが聞かなければ何も説明がないようなところもあるようです。
もう一点、中学受験対応型の塾は料金が通常の倍はかかりますので、受験するつもりはない場合は逆にもったいないです。
塾選びの際は社員の数と駐輪場をチェック
最後に塾を見るポイントをもう少し補足しておきます。
まず一つ目はその塾の社員の数です。プロと学生バイトではほとんどの場合モチベーションが違います(素晴らしい学生バイトさんも稀にいますが)。
しっかりとプロがカリキュラムを組んで指導してくれるのかは大切なポイントです。
二つ目は自転車置き場が整理されているかです。これは私の経験による主観ですが自転車置き場の整理にまで目が行き届く塾はいい塾だと思います。
自転車置き場だけでなく、くつが並んでいるか、講師のスリッパや服装が整っているかは、塾選びの際ついでに頭に入れておいてもらえるといいと思います。
塾の選び方についてご説明しましたが、次は通信教育教材の選び方についてご紹介します。
通信教育商材を選ぶポイント
通信教育商材においても昨今は様々な形態から選択できる時代ですね。
大きくわけると、通信教育商材も3つに分けられます。
- 最新のタブレット型学習
- 昔ながらの添削指導型学習
- 各家庭で完結でき教材を送り返す必要がないテキスト型学習
では、それぞれのメリットとデメリットについてもご紹介しています。
タブレット型通信教育商材は親が介入しにくく通信教育商材の良さが薄れている印象
関心が高まっているのは「タブレット型学習」ですね。
これはタブレットを用いて常に本部とつながっていることでテストの採点添削等がスムーズに行われるというメリットがあります。
子どもにとってはゲーム感覚で取り組めるため高いモチベーションでスタートできます。
料金帯は月額3,000円〜8,000円程度で、オプション追加による課金システムも導入されているようです。
私の学級にもタブレット型学習をしている子どもは数名いますが、いずれも親が介入しにくくモチベーションが保てていないという印象を受けます。
紙ベースの教材だと親が横で見る、後で見るがしやすいのですが、タブレットだと端末内に蓄積されているため親が管理しにくいのだと思います。
添削指導型通信教育教材は親が介入しやすくモチベーション管理は親次第
次に昔ながらの「添削指導型学習」です。
これはやはり最もオーソドックスな形で、モチベーション面も含め、大人が管理しやすいというメリットがあります。
料金帯はタブレット型学習とあまり変わらない中、プロの講師が添削助言をしてくれるサービスもあります。
デメリットとしては送り返す手間でしょうか。
毎月〆切がありますので、それに間に合わないことが続くと非常にもったいないことになります。
〆切があるということで子どもにとっても多少負担になり、モチベーション低下にもつながるため、やはり親の介入は必要になると思います。
テキスト型通信教育商材はコストパフォーマンスが高いが親なしでは続けるのはとても難しい
最後に「テキスト型学習」です。こちらも昔ながらの形ではありますが、最大のメリットはコストパフォーマンスだと思います。
月額2,500円〜3,500円程度で、6年間教材が届きます。
教材の中で予習復習が十分にできる他、読み物教材等もあり、読書等の学習に大切な副次的なところまでカバーされています。
このように言うととても聞こえはいいのですが、この「テキスト型学習」は親の介入が不可欠であると思います。
ほっておいても進められる子もいるかも知れませんが、かなりのレアケースだと思います。
教材側はできるだけ自分で進められるよう内容が工夫されていますが、やはり限界があります。
「わからないままでも進めてしまう」というリスクも併せ持っているため、やはり親がせめて確認程度はする必要があると感じます。
様々な選択肢がありますが、通信教育商材はほとんどの場合「お試し」が可能です。
試してみて、お子さん自身できそうだと思ってから始めることができる手軽さが最大の特徴だと思います。
通信教育商材は、塾と比べると辞めやすいことはメリットかもしれませんが、その反面モチベーションを保つ上での親の介入率がそれぞれ違うということをご理解いただき、選択していただければと思います。
親子でコミュニケーションをとり自分の学力を子どもに客観的にみさせて判断を!
勉強についていけているのか、また塾や通信教育商材を始めるタイミングとその特徴、選ぶ視点について考えてきました。
どんな選択をするにせよ、やるのはお子さんであるということを忘れないでください。
お子さんがモチベーションを保てるよう様々な手立てが必要だと思いますし、将来の見通しを持たせるのも、自分の学力を客観的にみさせるのも大人の仕事だと思います。
私が教員をしていて感じるのは、親子でコミュニケーションをよくとれている子どもは学力も高いということです。
データがあるわけではありませんが、やはり「親子間のコミュニケーション」と「学力」は切って離せない関係にあるのだと思います。
今回のお話がお子さんの将来に向けて親子で一緒に考えるきっかけになることを願っています。最後まで読んでいただきありがとうございました。