子供の「大学の学費」には学資保険よりもジュニアNISAを検討してみる
- fp_ito2018
証券会社で働きながらファイナンシャルプランナーとしても活動しているイトーです。「で、結局何すりゃええねん。」に答えたく、投資・資産運用に関する情報や自分の運用状況を公開しています! ・ファイナンシャルプランニング技能士 ・AFP ・証券外務員
子どもが生まれたら気になるのがやはりお金のこと。
一人の子どもを大学まで卒業させようと思うと、私立の場合学費だけで約2,500万円もかかります。詳しくはこちらをご覧ください。
毎月自主的に貯金するのが難しいという方の中には、学資保険を選択する方もいると思います。
中学校や高校であれば学資保険もお得な方法の一つではあるのですが、500万円以上かかる大学へ行くための費用をためておく方法として、私がオススメするのはジュニアNISAです。
「NISA(ニーサ)」は何となく聞いたことがあっても「ジュニアNISA」というのははじめて聞いたという方も多いかもしれません。
そもそも「ジュニアNISA」とはなにか?
また、学資保険と比較すると積立NISAはどれくらいお得なのか?という点についてもご紹介します。
ジュニアNISA(そもそもNISA)とは…
最近よく耳にする「NISA」ですが、そもそもNISAとは「非課税の証券口座」です。
株や投資信託といった投資商品を購入するためには証券会社の「証券口座」が必要になるのですが、投資の商品というのは利益が出た(儲かった)場合に結構な税金が取られてしまうんですね。
例えば、1万円の利益が出たとすると20%の2千円は税金として徴収されてしまうのです。
そこで、一人につきある程度の金額までは「非課税」つまり利益が出た分すべてを自分のものにできるという制度がNISAです。
これの子供版が「ジュニアNISA」というわけですね。
簡単に説明すると、
- 親が子供のための「証券口座」を作り、子供の将来のためのお金を「子供名義」で運用(投資)
- 子どもが大学に行く頃にその投資で増やしたお金で大学の学費や一人暮らしの費用を払える
こういう使い方ができるということですね!
NISAとの違いは?
NISAの子供版がジュニアNISAというわけですが、制度上の大きな違いはそれほどありません。
ただ、1年間の非課税となる上限金額が下記のようにちがいます。
- NISA:120万円
- ジュニアNISA:80万円
また違いがあるとするならば、ジュニアNISAでは「外国の株式」の購入ができません。
例えば「子どものためにamazonの株を買って運用しよう!」といのは無理なんですね。
ただし、そこまで高度な資産運用は不要かと思いますのでこれはそれほど大きな違いにはならないでしょう。
なぜ学資保険よりもジュニア NISAなのか?
「学資保険」と「ジュニアNISA」は全く違うものでそれぞれに特徴があります。
大学の学費用にジュニアNISAをオススメする理由は、「預けたお金」以上に戻ってくるお金が「かなり大きくなる」ことが期待できるからです。
子供が大学に入る(18歳になる)までに、仮に学資保険で積み立てた場合は200万円の資金がせいぜい210万円くらいになって戻ってきます。
しかしジュニアNISAで資産運用を行なった場合、状況によっては2倍以上になったとしても全然不思議ではないですし、投資の世界では18年もあれば十分に可能な成果です。
当然、元本割れしてしまうリスクもあるのですが、その場合は「売らずに(上がるまで)置いておく」という選択肢があるのもジュニアNISAでの投資の特徴です。
ジュニアNISAと学資保険それぞれのデメリットとは?
では、それぞれのデメリットをあえてあげてみるとするならばどういう点があるのか?
それぞれのデメリットをあげて、学資保険とジュニアNISAを比較してみます。
「途中で崩せない」のはどちらも同じ
ジュニアNISAに預けた資金は18歳になるまで出金ができません。
また、学資保険は一応「途中解約」ができないこともないのですが、それをしてしまうと戻ってくるお金が預けたお金に比べてかなり減ってしまいます。
大損をしてしまいますので加入する際には途中での解約はしない前提で加入する必要がありますね。
事実上、どちらも途中で引き出すのは「なし」と言えますので子供が大きくなるまで「割れない貯金箱」と言えるでしょう。
「損をしない学資保険」と「大きく増えるかもしれないジュニアNISA」
これは、それぞれのよくもあり悪くもあるという点です。
学資保険は損をしないし銀行に預けておくより得
学資保険は満期まで解約しなければ預けたお金よりも多く返ってきます。
しかし、ポイントはどれくらい多く返ってくるかという点です。
学資保険を18歳まで積み立てた場合、戻ってくるお金は「105%」程度になります。
200万円貯めたとすると210万円が帰ってくることになります。
銀行に預けておくことに比べるとかなり有利な運用といえますね。
なによりも「元本割れはしない」ことが最大の魅力といえるでしょう。
ジュニアNISAは、多少元本割れする可能性はあるが大きく増える可能性がある
ジュニアNISAは株や投資信託に投資するので最終的に元本を割れてしまう可能性があります。
その分、投資した金額に対してかなり増えた状態で受け取ることができる可能性もあるのです。
例えば、2017年の日本の株式は平均で19%も上昇しました。
現金や保険ではなく、株で資産を持っていれば1年間で19%も増えたということになります。(200万円が1年間で238万円になる計算)
学資保険が18年でやっと5%増えることを考えるととんでもなく有利な資産運用といえますね。
これがジュニアNISAで子供用の資産を運用しておく最大の魅力です。
ジュニアNISAと学資保険の利回りを比較してみる
実際の成果をベースにするとジュニアNISAでの投資と学資保険ではどのくらい「増える金額」に差があるのでしょうか?
ランキング上位の商品で比較してみましょう!
子供が生まれてから18歳になるまで学資保険で積み立てた場合は
- ソニー生命「学資保険スクエア」:107.2%
- 日本生命「ニッセイ学資保険」:107.2%
- 明治安田生命「つみたて学資」:105.7%
と、105〜107%程度の増え方となります。
200万円を積み立てたとすると10万円程度がプラスされるお得な運用になりますね。
ジュニアNISAで投資した場合は
ジュニアNISAで同じ金額を積み立てた場合はどうなるでしょうか?
18年間で200万円投資するためには1ヶ月の積み立て金額は「9,260円」となるため、ここでは毎月1万円の積み立てをしたとします。
それを18年間ランキング上位の投資信託で積み立て投資した場合の成果を過去の実績(直近5年間の平均利益率)から計算してみます。
(楽天証券のNISA買付ランキングより)
※投資金額は1万円×12ヶ月×18年=218万円となります。
- 「ひふみプラス」で積立:2407万円(利率:1014.5%)
- ニッセイ外国株式インデックスファンドで積立:329万円(利率:52.6%)
- ニッセイ225インデックスファンドで積立:680万円(利率:214.8%)
なんと!216万円の投資金額が子供が18歳になることにはとんでもない金額になってしまいます!
1位の「ひふみプラス」に関しては10倍を超える資金になる計算になります。
しかしこれは夢物語でもたまたま当たったわけではなく、あくまで「一番買われている投資信託」の実績だとそうなるというまぎれもない事実です。
それ以外の投資信託でも利率(元金がどのくらい増えたか)は50%以上となり、金額にすると100万円以上は増えているということになります。
これが「投資を長期で行う」ということの力といえます。
学資保険がいくら元本保証とはいえ、2000万円以上もお金が増えるというこの資産を見ると投資という選択肢も検討する価値があると思えませんでしょうか?
儲かり過ぎても子供に残せる!ジュニアNISAは子どもが生まれた家計にオススメ!
ジュニアNISAでの投資でかなりの大金を作る可能性については上記で試算しましたね。
しかし、通常の投資信託買付では利益の約20%が税金として引かれますが、ジュニアNISAは非課税、つまり総取りできるんですね!
なおかつジュニアNISAの名義は子供となっていて、もし数千万という大金ができてしまった場合もそのまま投資をした状態で残しておけるのもメリットです。
余ったお金を置いておくことでさらに増やすことも期待できますね!
学資保険が向く人、ジュニアNISAが向く人
どちらも一長一短の商品ですが、それぞれどういう人に向いていると言えるのか?
それぞれの商品の向いている人についてご提案します。
学資保険は40歳以降のママパパにオススメ
学資保険は、満期までいくと元本割れしないという点から、安全性が高いので子供が大きくなる頃には退職している(退職が近い)場合など、40代以降の方にオススメです。
ジュニアNISAは30代くらいまでのママパパにオススメ
ジュニアNISAによる投資はかなりの資金を子供に残せる可能性の一方で、元本を割ってしまう可能性もあります。
もしそうなった場合も、挽回のできる30代くらいまでの親にはオススメです。
また、ジュニアNISAはたとえ途中で損をしていても子供が小さければ大人になるまでの間に回復したり、大人になったとしても「売らずに上がるのを待っておく」という選択もできます。
そのため子供がまだ小さい場合にもオススメの選択肢といえます。
もちろん学資保険とジュニアNISA、どちらも行うというのも全然ありです。
学資保険の最大のメリットも忘れずに
ここまではあくまでも「どれだけ資金を増やせるか」の論点で記載していますが、学資保険の最大のメリットは元本割れしないことではなく、「親が亡くなった場合でも保障されている」という点です。
万が一、自分に何かあった場合に他の保険金や配偶者の収入など子供の学費の頼りになるものがない場合はこの点で学資保険を積極的に考えても良いでしょう。
投資初心者の親がジュニアNISAを始めるなら楽天証券がオススメ!
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