子供を叱る時っていつ?シーン別に考える叱り方の違いとは?

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ワタセショー
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消しゴムはんこをひたすら彫り進める小学校教師(11年目)です( ̄∀ ̄)これまで56446256556年を担任。子育ての際に「どうしたらいいんだろう?」というよく教育現場で耳にする疑問を中心にお答えします。

子供を叱るのって難しいですよね。

無用に叱りたくもないけど、イライラしていたらつい「こら!」と言ってしまうこともあると思います。

子供の叱り方と年齢別にみる叱るポイントの違いについてご紹介しましたが、今回はさらに詳しくどういうシーンの時にどういう叱り方をすればよいのかというポイントについてご紹介します。

シーンによってすこしづつ叱り方は違うため、「叱る」という行為について、どうすればいいのかと悩んでいるママパパは叱り方の一つとして参考にしてみてください。

子供がウソをついた時の叱り方

子供叱るシーン

子どもは大人にウソをつきます。

でも大人も子どもにウソをつくことはありませんか?

  • 「そんなことしてたらサンタさん来ないよ」
  • 「赤ちゃんはコウノトリさんが運んでくるんだよ」

といったことも、言ってしまえばウソではないでしょうか?

子供がウソをつく理由を考えてみる

大人にとっても子どもにとってもウソとは「何か」を守るための“防御ツール”です

大人と子どもでは守っている「何か」が違うだけなので、ウソそのものに叱るということは避けてほしいものです。

大人は「子供の夢」や「子供がまだ知らなくていいこと」を守るためのウソをつきます。でもこのウソは肯定されるべきですよね。

「正直な子になってほしい」と思いながらもそういったウソをつくことに抵抗を持たれる方がいるのであれば、少し解釈を変えるといいです。「自分(の良心)に正直な子になってほしい」という願いを持つことで、ウソに対する考え方も少しは変わるかもしれません。

子供がウソをついた時の叱り方

さて、では子供がウソをついた時の叱り方についてです。

子どもはウソによって「何を」守ろうとしているのか。およそほとんどの場合「自分」を守ろうとします。

ですので、「ウソをついた」という行為に対して叱るのではなく、「ウソをつかれてどんな気持ちになったのか」を伝え、「どうしてウソをついたの?」と目を合わせて聞いてあげましょう。

自分なりの言葉で話そうとしていれば、ゆっくり時間をかけて聞いてあげてください。

先述の通り、そこに「怒る」の感情があれば子どもは殻に閉じこもり、真実は引き出されません。

もし話してくれたのなら、「よく言えたね」と最大限褒めてあげるべきです。叱る行為のゴールはいつも「褒める」てあるべきだと私は考えています。

友達とトラブルがあった時の叱り方

子どもはトラブルがあった時はまず自分に都合のいい情報しか話しません。

ですので、どちらか一方の情報だけで子どもを叱るということだけは避けたいところです。下記の工程で叱ると情報を整理することができ無用なトラブルを回避することができると思います。

  1. 双方の言い分を聞き、トラブルの内容を明確化する
  2. 「あなたはここが悪かったね」「でもあなたはこうすればよかったね」と双方の落ち度を大人が示し、同じことが繰り返されないよう一緒に考える
  3. その中で子どもの方から「こうすればよかった」「謝りたい」等の意見が出てくるのであれば、最大限褒めてあげる

「怒られると思ってたのに褒められた」」という経験をさせることは、子ども達にとってとても有効な教育技術です。是非試してみください。

注意した時に口ごたえをした時の叱り方

子どもは大人に近づこうとする、対等になろうとしています。

これが最高潮に達するのがいわゆる「思春期」ですが、幼少期のうちから子どもはやはり口ごたえをすることがあります。

ではそういう時はどういう風に対応をすればよいのかご紹介します。

なぜ子供は口ごたえをするのか?

まず頭に置いておきたいのが、口ごたえは「自分なりの考えを示そうとする合図」だということです。

「誰に向かって言うてるねん!」「いいから言うことを聞きなさい!」とおさえつけてしまうと、溜まったフラストレーションが反抗期で爆発します。

さらにそれさえも力技で押さえつけてしまうと悪循環に陥るため、避けたいところです。

口ごたえをした時の対策方法と叱り方

口ごたえをした時には、まず内容を聞いてやると言うことが大切です。その上で下記順序にそって話をしてあげるとよいでしょう。

  1. 「言ってることは正しいね、そこは私も悪かったかもしれない、ごめんね」と一度子供の言いたいことをしっかりと聞き受け止める
  2. 「でも、その言い方はどうかな?」と、間違った部分があるのであれば指摘する
  3. 必要であればこちらも誤りを認める

しかし、口ごたえの仕方、大人に対する物の言い方にはやはり指導が必要です。

「そんな言われ方をしてこんな気持ちになったよ」「他の子(人)にそんな言い方をしても伝わらないよ」とゆっくり話してあげてください。

僕がいつも頭に置いているのは「感情と感情がぶつかっても何も進まない」ということです。

相手が感情的になっている時こそ、こちらは冷静になれるよう心がけています。

学校現場でも「先生がこんなに落ち着いて話そうとしているんだから、君もまず落ち着きなさい。ゆっくり話を聞きます。」と子どもに伝えることがよくあります。そうすることで、徐々に落ち着いていきこちらの話に耳を傾けてくれることもあるので、子供が口ごたえして興奮している時は是非そういう話し方をしてみてください。

片付けをしない時の叱り方

「片付けなさい!」と、つい叱りつけることありますよね。

  • 掃除機をかけたいけど、子どもが出したおもちゃがジャマでできない。
  • お客さんが来るのに出しっぱなしだ。

間違いなくイライラポイントですが、落ち着いて考えるとこれは「大人の都合」ではありませんか?

大人の都合で片付けさせたい時は一緒に片付けるか、「お母さんは掃除機かけるから、あなたはおもちゃを片付けてね」と分担して取り組むべきです。

一方的に理由もなく片付けなさいという理不尽さは子どもはよーく気づいているものです。

それでも成長過程で「後片付け」はできるようにさせたいところですよね。

整理された部屋は気持ちがいいということ、出したものを元の場所に戻すということをきちんと教える機会は度々取る必要があるので、機会がある度に都度都度子供と話をするようにしましょう。

テストが悪かった時の叱り方

まず第一に、テストの点数が悪くても叱らないでください(笑)

  • 98点をとって帰ったのに「あと2点、ツメが甘い」と怒られる。
  • 100点とっても「他の子も100点なんやろ」と褒められない。

めちゃくちゃかわいそうです。

どんな点数でも褒めるつもりで見てあげるべきです。 褒めてあげると、ほぼ間違いなく子どもの方から「でも、ここができひんかってん。」と反省点が出てくると思います。

テストの反省は学校でテストが返却された瞬間から自分で十分にやっているので、家で追い討ちをかけるのだけは避けてください。

それでも、目にあまる点数が続くようなら、担任の先生に相談してみるとよいでしょう。

帰るのが遅かった時の叱り方

このご時世、帰宅時間になっても子どもが帰ってこないことがあると不安、心配が高まりますね。

学校でも話をされてるとは思いますが、ご家庭でも必ず、暗くなるまで子どもだけでいることの怖さ、事件性については重々話し、門限は子どもと納得のいくように決め、しっかり守らせましょう。

それでも、帰るのが遅いことはあると思います。

まずは、なぜ遅くなったのか子ども自身に聞き、心配していたことを伝えてあげてください。

頭ごなしに否定し怒ると、反抗期であれば帰ってこなくなることも考えられます。

慎重な対応が必要ですので、子供の目をしっかりと見ながら感情的にならず、落ち着いて話をするようにしましょう。

ママもパパもできていないことが多くて当然!少しでも親としてできることを増やそうとする姿勢が重要!

ここまで現役小学校の教員として、シーン別の叱り方についてご紹介してきましたが、いざ2児の親となってみると残念ながら僕自身も上記のことが完璧にできている訳ではありません。。

僕たちは親としていつも未熟です。

未熟だからこそ、自分の行動に悩むし、正解がわからず、もがくのだと思います。

完璧な親なんて世の中にはいません。でも少しでも子どもにプラスになることを考え、少しでも親としてできることを増やそうとする、僕の稚拙な文章を読んでくださったその行動こそが、親として立派であると思います。

子どもはいつも思いもよらぬ行動を取ります。

親として「叱るべきか」迷われることも多々あります。

ですが、自分の価値観をきちんと伝え、コミュニケーションを怠らないことで、親が親として成長するのでもなく、子が子として成長するのでもなく、「親子」で「一緒に」成長していけるのだと確信しています。

子どものために悩み続けられる親は、「完璧」でなくても、「最高」の親ではないかと思います。最後まで読んでいただけた方へ、感謝とエールを贈り、締めくくりたいと思います。ありがとうございました!

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