子どもの友達トラブルを家庭で見抜く方法と起こった時の対策方法

「〇〇ちゃんと喧嘩した...」「〇〇君を叩いてしまった...」
などなど、子供同士のトラブルが発生することはよくあります。
そんな時ママパパは、どのように対策をすれば良いのか?
このページでは、友達トラブルが起きた場合の家庭での対策方法について現役小学校の先生目線からご紹介します。
今まさに子供同士のトラブルが起きてしまっているという、ママパパの方は是非ご覧ください。

よくある子供の友達同士のトラブルとトラブルの原因

よくある子供同士のトラブルとはどういうものがあるのか?
まずは、よくある子供の友達同士のトラブルをご紹介します。
  • 物の貸し借り。返した返してないでもめる。
  • 友達のものを壊した。また無くした。
  • ものを隠した。無断で持っていった。
  • 仲間はずれやひそひそ話。
  • 悪口、嫌なあだ名を言われた。
  • 体育や休み時間での遊びや試合の勝敗をめぐって。
  • ルールやマナー違反を注意して。
  • えらそうな言い方や態度から。
  • ぶつかった、たたいた等から。

男女別にみるよくあるトラブルの原因

はっきりと線引きできるものではないトラブルの原因ですが、私は高学年を担任することが多いので、その経験からお話しさせていただきます。

男の子のよくあるトラブルの原因

男子に多いのは「ぶつかった、たたいた等」が原因のトラブルです。
遊びや試合の勝敗をめぐってのトラブルも男子に多いように感じます。

女の子のよくあるトラブルの原因

女子では圧倒的に「仲間はずれやひそひそ話」が原因のトラブルが多いです。

友達トラブルが起こっているか家庭で見抜く方法

トラブルが起こっているとわかれば、まだ対策のしようがありますが、トラブルが起こっているかもわからないということは多々あります。
では、友達同士のトラブルが起こっているかどうかどのように判断することができるのか?
家庭でトラブルが起こっているか見抜く方法についてご紹介します。

普段の何気ない会話が多ければ子どもが自分から話してくれる

家庭でトラブルが起こっているか見抜くためには、家庭での会話が重要となります。
お子さんとよく会話されコミュニケーションが十分であれば、小さなことでも子供から話してくれるかと思います。
しかし、実際は家事や仕事に追われ、お子さんとのコミュニケーションが不十分だと感じている保護者の方はとても多いです。
トラブルが小さいうちは多くの場合、学校で解決済みかと思いますが、いじめや差別を受け、親にも言えないレベルにまで問題が膨れ上がっていることが稀にあります。
そこで次に、トラブルを抱えている子供が出すサインについてご紹介します。

トラブルを抱えている子どものサイン

トラブルを抱えている子どもが発するサインには様々なものがあります。
  • 〇〇が壊れたから新しいものを買って欲しいと言い出す。
  • 学校からの連絡はないが、ある程度大きい怪我をしている。
  • 寝坊することが増えた。
  • 理由をつけて学校を休もうとする。
  • 宿題等、できていたことが手につかなくなっている。
  • 買い与えた覚えのないものが机やランドセルから出てきた。
  • 「友達にもらった」と割と高価なものを突然見せてくる。
最後2つは加害者側でトラブルを抱えている可能性があるものですが、「おや?」と思ったら目を見て問いただす必要がある事項です。
他にも親の想像もつかないようなトラブルを抱えていることも多々あります。
日頃のコミュニケーションがやはり要となってきますので、忙しい合間に少し話を聞けるような関係性は保っておきたいところです。

トラブルを起こされた側のママパパの対策方法

では、次に実際に子どもの友達同士のトラブルが表面化した時の対策方法です。

まずは、トラブルを起こされる被害者になった場合の対策方法です。

トラブルの中でも

  1. ものをとられたかもしれない
  2. 叩かれたかもしれない

というトラブルが多いです。

この2つのトラブルが起きた場合の対策方法についてご紹介します。

ものを取られた(かもしれない)場合の対処法

たくさんのトラブルの中でも、発生頻度が高くて話がこじれやすいのが「ものを取った取られたのトラブル」です。

今回は、万引き等ではなく、友達間での事例からお話させていただきます。

ものがなくなるトラブルが発生したらまずは正確な事実確認を

小学校では、よくものが無くなります。子どもはよく「無くした!」と言いますよね。

実際にものが無くなるわけはなく、自宅か学校のいずれかに忘れて置かれているパターンが非常に多いです。

しかし、いくら探しても見つからない時、子どもは稀に「〇〇に取られた!」「盗まれた!」と言う時があります。

子供が「〇〇に取られた!」といった場合、まず優先させて欲しいのは「事実関係の確認」です。

「なぜ取られたと思ったの?」「盗まれたところを見ていたの?」と、子どもの曖昧な点をノート等に文章化しながらきちんと整理しましょう。

子どもは「自分の都合のいいこと」を「都合のいい形」に変えて大人に話をします。

そしてトラブルがこじれて長引くと、自分の都合の悪い部分を変えて隠そうとするため、言ってることが微妙に変わってきます。

教育現場での経験から、非常に高い確率で言っている事が変わるため、文章化をして正確な事実関係を整理することが重要なんですね。

ちなみに、子供の話しが変わるのは当たり前の行為であり、いちいち叱っているとトラブルは解決されませんので、まずはトラブル解決を優先させましょう。

事実確認できた後の対処方法

では次に、ものを取られたことがハッキリした後の対処法です。学校でものを取られたのであればまずは担任の先生に相談しましょう。

誰から取られたかもハッキリしているのであれば担任に事実関係を整理してもらい、返却もしくは弁償等相手の親御さんと話し合いましょう。

その際、少しだけ配慮していただきたいのは、相手の親御さんは大抵の場合「我が子が人のものを盗っってしまった…」と、ショックに感じているということです。

親であればいつかは通る可能性のある道です。

もし逆の立場だったら、と心中察してあげるくらいの器量があれば、トラブルが尾を引かず、スッキリとおさまると思います。

誰に取られたかわからない場合もある

最も困るケースも紹介しましよう。

それは「取られたことに間違いはないが、誰かとったかはわからない」というパターンです。

これははっきり言って高い確率で解決できないでしょう。

学校側に責任を問うことも難しいと思います。

学校側の立場をお話させていただくと、学校は警察ではないので「犯人探し」はできません。

その問題がきっかけとなり「本当に取られたのか?無くしただけじゃないのか?」という疑念から、子ども同士の関係を悪くしかねないからです。

「取られて困るようなものを学校に持っていかない」というのが、何よりものトラブル回避策であると考えておくようにしましょう。

たたかれた、蹴られた場合の対処法

次に多いのが、こういうトラブルです。

とくに、低学年期の男子児童に多いトラブルです。

物をとったとられたのトラブルに比べ、単純な理由であることから早期解決しやすいものが多いでしょう。

しかし、「顔に傷が残った」「歯が折れた」「骨折した」等、大きな被害を受ける場合もあるでしょう。

たたかれた場合もまずは状況の把握と整理を!

こちらも、基本的な対処法は「状況の把握」です。

学校で起きたケンカの場合、担任の先生、場合によっては教頭先生や生活指導の先生が下記のような手順を踏みます。

  1. 加害児童への確認
  2. 被害児童への確認
  3. 状況の書き留め
  4. 矛盾点の擦り合わせ

大抵の場合、どちらにも少しは原因があるものです。

我々大人は子どもの落ち度をきちんと見つけ、「こういう時はこうすればよかったね。次からはこうしようね。」と教えてあげましょう。

この時の最大のポイントは、「こういうところはえらかったね。」と褒めるポイントも見つけて伝えてあげることです。

叱られるより褒められる方が圧倒的に教育効果は高く、次のトラブル防止になります。

相手に落ち度があるとわかった場合の対応方法

さて、お子さんの話から状況を把握した結果、どうやら相手側に落ち度があると判断した場合です。

学校でのトラブルであればまずは担任の先生に改めて状況を伺い、対応を求めましょう。

その際気をつけて欲しいのは、自分の子どもの話は半分疑っておくということです。

やはり子どもは親に対して自分の都合の悪い情報は極力伏せているので、担任から、もしくは後から違う情報が入り状況が変わることがよくあります。

後になってモヤモヤが残らないようにするため、頭の中には常に相手側の親になったつもりで話を客観的に聞いておくことが大切です。

話が具体的になってきた上で、相手側に謝って貰えばいいのか、場合によっては病院に行った費用を負担してもらうのかは大人の話し合いになるかと思います。

そこまでこじれることは稀ですが、どこの学校でも数年に一度はあることですのでまったくないとは言い切れません。

たたかれたトラブルが起きた場合は「いつも相手側の立場に立つ」ということを肝に命じておくべきといえます。

トラブルを起こした側のママパパの対策方法

もちろん、トラブルは被害者だけでなく、加害者側になる場合もあります。

買い与えた記憶のないものがでてきたり、ケンカして相手を傷つけたりと、お子さんがトラブルの加害者になってしまうことは子育てをする以上、必ず起こることだと思います。

親としてはとても残念な気持ちになりますし、「どこかで子育て間違えたのかな?」と不安になることだと思います。

しかし、子どもは未熟です。そして我々大人も完璧ではありません。ちょっとした気の緩み、ボタンの掛け違え、勘違い、出来心等でトラブルの加害者側に立つことは当然あり得ます。

まずは相手があることでしたら、被害者側に対して「誠実」であることに努めましょう。

こういうトラブルが起きた時、稀に「9:1でうちの子が悪い、でもその1のところは向こうにも謝ってもらわないと気が済まない。」というパターンもあります。

気持ちはわかります。

自分の子がやってしまったことに対してフォローする意味で、お子さんへの言葉がけの中に「相手の子もこういうところはダメだったと思うけど、、」と伝えるのはいいと思います。

しかし、こういう場合、モヤモヤを相手にぶつけると、ほぼ100%こじれます。

常に相手に対して誠実であることを忘れずに、対応できる器量が我々大人には求められるのだと思います。

トラブルを起こしやすい子の共通点とは

子どもとトラブルは切っても切れない関係だと思います。
集団で生活をする中で、夫婦だって、親子だってケンカや言い合いになることがあります。それはお互いの考え方や価値観の違いからくるものだと思います。
子どもはその考え方や価値観を形成する段階であるので、当然ほかの人との擦り合わせの過程で言い合いやケンカから思わぬトラブルに発展することは頻繁に起こり得ます。
我々大人ができることは、トラブルを未然に防ぐことではなく、最小限にとどめ、「次からどうする」を示す教育の機会とすることだと思います。
しかし、トラブルは起きないに越したことはなく、できる限り予防したいですよね。せめて、我が子が加害者にだけはなってほしくないと考えるのが親心だと思います。
私は小学校現場で子ども達と日々生活する中で、トラブルの原因となりやすい(いつも叱られている)子ども、つまり「トラブル気質」な子どもには共通点があると感じています。

トラブル気質な子の共通点

今まで10年ほど小学校の教員をしてきて感じるのは、トラブル気質な子どもには共通点があるということです。

私が考える共通点を4つをあげてみました。

  1. 言い訳が多く謝る事ができない
  2. 家庭内コミュニケーションが不十分
  3. 何かしらストレスを抱えている
  4. 趣味や没頭できるものがない

では、それぞれの説明を少しします。

言い訳ばかりで謝れない

ちょっとしたことでも第一声が「自分が先にこんなことをされた」と言い訳から入ります。
裏返すと自分が悪かったところを理解して、正当化しようとしているだけなので、きちんと順序立てて話せば納得できることが多いです。

家庭内でのコミュニケーションが不十分

我々教員はいつも先生とばかり会話しにくる子がいれば、少し気にします。家庭でのコミュニケーションが不十分だと、子どもは教員に「親代わり」を求め出すのでそのサインの1つだと考えています。
もちろんすべてがそういう場合ではなく、単純に大人と喋るのが好きだという子もいますので、色眼鏡で見ないよう注意はしています。

何かしらストレスを抱えている

習い事や、成績でのストレス。友達関係。また親がケンカしている、いつも怒られる等もストレスの原因であることが多いです。
そういった「心理的虐待」のほとんどは、まわりの大人に自覚がありません。
ストレスがたまっている子どもの表情は曇っています。我々大人は子どものそういった変化に気づいてやる必要があるのだと強く感じます。

趣味や没頭できるものがない

これもストレスに近いのですが、気持ちのはけ口がきちんとある子はトラブルを起こしにくいです。
もしお子さんに上記の点で気になることがあれば、やはり一番はコミュニケーションです。
普段からいろいろな話をし、お互いに聞き合える親子関係があれば、トラブルが起きても最小限にとどまりますし、トラブルの原因行動に出る前に親の顔が浮かぶようになると思います。

子どもの同士のトラブルでよくある質問!Q&A形式でお答えします

では最後に、よくママパパからトラブルが起きた時に質問されることについてQ&A形式でおこたしていきます。

Q.先生に相談し、状況や変化を伝えるという方法はあり?なし?

A.これは大いにアリです。
子どもは1日の三分の一は学校で過ごしているので、担任との連携は何よりも大切です。些細なことでも情報を共有できることで、教員も指導しやすいですし、親としても安心につながるのではないでしょうか?

Q.問題の大きさによってはある程度親が出て行ってもOK?

大きな問題に発展させないのが一番ですが、子どもだけでトラブルが解決することはなかなかありません。
学校内でのトラブルであれば、まず担任に相談し、複数の眼で解決に向けることが大切だと思います。
先述の通り、お子さんの話だけを一方的に聞いただけで、相手の親のところにいくとトラブルがこじれることがありますので、やはり第三者である学校の先生を頼っていただいてもいいんじゃないかと思います。

Q,子ども同士のトラブルで親がですぎることによる弊害は?

子どもにとって、学校で起きたことで親が直接相手の子どもや親に話をしにいくということは、精神的に負担がかかることがあります。
相手の友達とは多少気まずい期間ができるでしょうし、場合によってはそれを機に一切の関わりを絶ってしまうこともあります。
基本的には担任を介して、トラブルの内容を具体的にし、それぞれが大人の対応をできる心の余裕が必要だと思います。

Q.担任が頼りない!どうすれば?

我々教員は日々直面する様々な問題、トラブルに対応し続けています。
その中で保護者への連絡、対応が疎かになり、「この先生大丈夫か?」と心配をおかけする事もあるかと思います。それでも、第三者である学校教員の立場は、トラブル解決には必須だと私は考えます。
担任に不安を感じるのであれば、学年主任や生活指導の先生、あるいは教頭先生に相談してみるのも良いかも知れません。
私は勤務校では生活指導部長を担当していますが、自分の学級だけでなく、どこの学級で起きた問題にもできるだけ関わり、学校全体で、チームで問題解決に取り組める組織づくりを学校長と共に進めています。
私個人の理想を言えば、そのチームに保護者も密に関わり、複数の眼で子ども達を育んでいけるような環境であるべきだと思います。どうか遠慮なく、担任を始め様々な先生と連携を取れるよう情報共有していく意識を持っていただければと思います。

(まとめ)

集団生活をする中で、子ども同士のトラブルはつきものです。
では、我々大人ができることはなにか?
  1. 状況をしっかり把握
  2. 最小限に留める
  3. 子どもへの教育の機会にする(どんな小さなことでも褒めるポイントをつくる) に尽きます。
その上で、いつも大切にすべきことは相手への「誠意」を忘れないということ。
どんなトラブルも加害者側も被害者側も親はとても心が痛みます。お互いが気持ちを察し、協力して、何よりも「子どものためにどうあるべきか」を考えましょう。
教員は親じゃない、親は教員じゃない。しかし、目の前にいる子どもの「今後」を思う気持ちは同じはずです。
お子さんに関わるたくさんの大人たちが、複数の眼でみて、複数の心で育んでいくことができれば、この上ないことだと思います。
一人で抱えず、あなたのお子さんのためになることを、あなたの近くにいる人と一緒に考えていきましょう!
私は教師としても二児の父としても大変未熟な身です。こういったインターネットの世界での繋がりだとしても、「チーム大人」で子ども達を育んでいけることをとても頼もしく思います。
稚拙な文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました!

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