教師が考える“もったいなくない”子どもの休みの日の過ごし方

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ワタセショー
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消しゴムはんこをひたすら彫り進める小学校教師(11年目)です( ̄∀ ̄)これまで56446256556年を担任。子育ての際に「どうしたらいいんだろう?」というよく教育現場で耳にする疑問を中心にお答えします。

お子さんは休みの日はどのようにお過ごしでしょうか?

「ダラダラと1日中テレビを見て過ごしている」「塾や習い事で大忙し」「取り憑かれたようにスマホやゲームに没頭している」など様々ですよね。

私は学級の子ども達に毎週末「ふりかえりカード」という日記のような宿題を出し、週明けに提出させているのですが、ほとんどの子どもが土日何をして過ごしたかを書いてきます。

それをみていると習い事に通う子ども達が多い中、何も習い事がなく、テレビやゲーム、スマホによりダラダラと過ごしている子どもも3割〜半数程度いることがわかります。

決して習い事をしていないことが悪いのではありませんが、習い事で個性を伸ばすことに時間を費やしている子ども達と比べると“もったいない”と感じてしまいます。

ゲーム、スマホ、テレビ等で一日を過ごすこと自体は否定しませんが、その中のほんの1時間でも「何かに出会う」「発見する」「体力を高める」という時間にするだけで、どれほど将来の可能性が広がるのだろうかと思うのです。

今回は、休みの日の過ごし方について、たいへん大きなお世話であることを承知で、一緒に考えていければと思います。

子どもの休みの日に1時間だけ作ることを意識する

子ども 休日 過ごし方

小学校入学後、夏休み等の長期休暇、土日や祝日を入れると1年間で約160日の休日があります。

これが6年間ですから、小学校期に約1,000日の休日があるということになります。

もし「休みの日に1時間はこれをする」というようなことができれば、1,000時間も何かを伸ばすことに使えるのです。

毎日友達と外で30分でも体を動かして遊んでいる子どもと、外に出ない子では小学校卒業時には体力に決定的に差が生じますし、読書をするしないでもはっきりと学力に差が出ます。

どんな分野においても「継続は力なり」です。

あくまでご提案ですが、休みの日に1日1時間つくることで、中学校入学時に我が子に得意分野や特色ができるのであれば親としては少しの安心感のようなものが芽生えてくるのではないでしょうか。

「休みの度に毎日1時間」と考えると、何となく負担に感じる方も多いかと思います。

あまり深く考えすぎる必要はありません。

もちろん、「休みの1,000日間かかさずなにかに没頭する」ことをできればもちろん最高ですが、土曜できなければ日曜日に回せばいいし、できない期間が長ければ、それはそれで「あー、もったいなかった、次から頑張ろう」でいいと思います。

私は“もったいなかった”と思っていただけただけでも進歩だと考えています。

では、具体的には何をするべきなのか?次にご紹介していきます。

休みの日の1時間で能動的に頭や体を使う「活動」をすることを意識して過ごす

こども 休日 過ごし方

「読書」「勉強」「公園で遊ぶ」「サイクリング」「将棋やオセロ」等色々考えられると思いますが、何か一つ「これ!」と決めて6年間続けることは、はっきりいって無理だと思います。笑

今あげたものは全て頭か身体を使うものですね。

私は、何かしら生産性のあるものを「活動」と呼ぶのだと思います。

ゲームも頭を使うでしょうし、テレビもクイズ番組なら頭を使うではないか、漫画だって考えさせられることは多いぞ、という声が聞こえてきそうですが、これらは受動的な頭の使い方に属しています。

簡単に言うと「何もしなくても知識が頭に飛び込んでくる状態」です。

そうではなく、能動的(アクティブ)に頭や身体を使う「活動」により質の高い学びを得ることができると思います。

能動的な活動というと、外で身体を動かす運動を思い浮かべやすいかと思いますが、それだけではなく、読書によって積極的に想像力を働かせる活動、文字の練習やクロスワードパズル、数独、計算問題、脳トレのようなアクティブに頭を使うような活動も大いに効果が得られます。

継続することで力になるものであればどんなものでもいいのかもしれません。

「あー、もったいなく過ごしてしまっていたな」と少しでも意識を変えることができたのであれば嬉しいです。

勿体無くない休日の過ごし方を継続させるためには、子どものモチベーション管理を意識する

「さぁ、〇〇をやらせるぞ!」とさっそく本屋やスポーツショップ等に足を運ばれる前に、ひとつ確認を。

お子さんのやる気は高まっていますか?

そもそもモチベーションが低いものをどれほど継続させても効果はまったくと言ってもいいほどありません。

大人だって同じですよね。

報酬が得られるから仕事も続けているわけですし、モチベーションが上がらなければ趣味でも何でも続きませんね。

「継続は力なり」とはよく言いますが、私の考え方は「継続させるためなら何でもアリ」です。

本を一冊読み切ったらお小遣いをあげる、休みの日に1時間身体を動かしたら食後のデザートを買ってあげる等、お子さんにも目に見える報酬も必要です。

目の前のニンジンを追いかけ続けているうちに、本当のゴールにたどり着けるのだと思います。

「もので釣るのはどうなんだ」という意見を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、海外の研究ではっきりと証明された事例があります。

「テストの点数がよければお小遣いをあげる」というAグループと、「宿題をしたり、読書をしたりすればお小遣いをあげる」というBグループを比べると、結果Bグループの方が、成績が上がったのです。つまり、結果ではなく過程に投資することに大変意味があると言えるのです。

「休みの日の過ごし方」とは少し話がそれてしまいましたが、物事を継続させるには「目の前にニンジン作戦」がとても有効だというお話でした。

まとめ

休みの日の“もったいなくない”過ごし方について考えてきましたが、ゲームや漫画を否定する気は一切ありません。

好きなことをしてダラダラ過ごす時間は、脳を休めストレスを発散させる意味では、多少なり必要だと思います。

しかし、小学校6年間でおよそ1,000日ある休日を、すべてダラダラ時間にしてしまうことがもったいないことだということはご理解いただけたかと思います。

子どもの個性を伸ばす、アクティブな趣味を持つことで、現代社会を生き抜くために必要な力が育まれます。

私はこの文章を書きながら、息子にどんな時間的“投資”をしていこうとワクワクしています。

読んでいただいた方の中に1人でもお子さんとの有意義な時間を作ろうと考えてくださる方がいらっしゃれば、大変嬉しく思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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