現役小学生の先生に聞く子供の叱り方と年齢別にみる叱るポイントの違い
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消しゴムはんこをひたすら彫り進める小学校教師(11年目)です( ̄∀ ̄)これまで56446256556年を担任。子育ての際に「どうしたらいいんだろう?」というよく教育現場で耳にする疑問を中心にお答えします。
「コラ!」子供が嘘をついたり、人の物を取るなど親が決めたルールを破ったりした時に、大きな声で叱ることなどあるのではないでしょうか?
しかし、子供を叱った夜にふと、「あの叱り方はよかったのかな・・」と不安にあることもあるのではないでしょうか?
そこで、 子供の叱り方について自信がない方のために、先生視点での叱り方についてご紹介致します。
叱ると怒るの違いとは?
まず最初に理解しておく必要があるのが「叱る」と「怒る」の違いについてです。
これは、新任教師が子ども達に指導するときの注意点として先輩教師から言われる、もはや“あるある”になっていることでもあるので、2つを整理しておきましょう。
「怒る」とは…
「怒る」は喜怒哀楽の中の一つの感情です。
感情的になっていては「伝えたいこと」はまず伝わりません。
怒ることで子供に恐怖や萎縮を植え付け、伝わるのは「この人は怒っている」「自分は怒られている」ということだけです。
度がすぎると、子供との関係を崩しかねないため注意が必要です。
怒るのでは、「なぜ怒られているのか」「これからどうすればいいのか」は伝わらないと覚えておきましょう。
「叱る」とは…
そこで大切なのが、頭の中は冷静に、伝えたいことを説明する、すなわち「叱る」という行為です。
「怒る」と「叱る」は決定的に異なります。
お子さんが何かしてしまったとき、頭に血がのぼるのを5秒だけでも我慢し、
「なぜそれがいけなかったのか」
「今度からこうするといい」
ということを教えてあげられる心のゆとりを持つことが大切です。
この2点に加え、叱るタイミングで保護者並びに指導者が「どんな気持ちになったのか」を伝えてあげると、今後もよりよい関係を保つことにもつながり、大変効果的だと思います。
やってはいけない叱り方とは?
叱り方にも様々ありますが、一番やりがちなのは
「ダメでしょ!」
「少しは考えなさい!」
等の抽象的な叱り方です。先ほど説明した通りこれではただ怒りに任せて怒っているだけですね。
叱るという行為は「説明」「教育」であるべきです。
「何がダメだったのか」
「何を考えないといけないのか」
を明確に示し、できるだけ感情的にならずに、
「ここがダメだったね。」
「これからこうしようね。」
と具体的に教えてあげてあげましょう。
大人の価値観を子どもにぶつけてしまうのではなく、寄り添い教えてあげることが大切です。
癖のように「こら!」と言ってしまったとしても、まずはひと呼吸入れましょう。
そして、自分はどう考えているのかゆっくり教えてあげることが、よりよい親子関係を構築していくためにも必要なことだと思います。
でも、そもそもあまり子供を叱らないというママパパもいますよね。こういう方はどうすればいいのか?
実は、叱りすぎないのもよくないので、次の章で説明します。
子供を叱ることが必要な理由
子どもはまだ子ども。大人だってミスもするし、わからないことだらけで生きています。
「自分も子どもの頃(何なら今も)できていないことを、子どもに叱るなんて、、」
と抵抗をお持ちの方も少なくないと思います。
それでも子どもを育て、導くのは保護者である我々大人の責任です。
子ども達に「やってはいけないこと」「その理由」「これからどうするか」を伝えるのは他でもない我々大人の責任なんだと思います。
「子どもは、大人の言うようには育たない。“やるように”育つのだ。」という言葉があります。
大人が子ども達にきちんと生き方や価値観を行動によって示すことで子どもは正しい方向に育つため、よくないことをした時は親としてしっかりと叱るということを理解しておきましょう。
でも、どのタイミングで叱るべきなのか判断がつかないというママパパもいるでしょう。
ですので、次に叱るタイミングについて次の章で説明します。
子供を叱るときはどういう時?
実は「どういう時に叱る」ということを基準化するのはとても難しいです。
他の友達に危害を加える等の事案が発生したときは当然叱るべきですね。
しかし、普段の生活の中での細かいこと、例えばお茶をこぼしてしまったり、外から帰ってきて手を洗わなかったりしたとき等は判断が難しいですね。
人によって基準は違うのであくまでも私の考えにはなりますが、「叱る理由を説明できるかどうか」ということを一つの叱る基準にすると良いのではと思います。
ふざけていてお茶をこぼしたのか、手が滑ってしまっただけなのかで、叱るのか心配するのかの分かれ道が生まれます。
それを落ち着いて見極め、決して「怒る」ことがないようにしてください。
手を洗わない、靴をそろえない、いつまでもゲームをしている、等の細かい事案は、まずは理由とルールの説明が必要です。
「こういうときはこうしないとこんなことになってしまうから、これから覚えておこうね。」
という話をしておけば次からは、
「この間した話覚えてるかな?」と注意できるようになります。
何度言っても変わらない、ということであれば、まずは自分の説明が悪かったのかな、と反省し、決して子どものせいにはしないでください。
子どもは「失敗する生き物」です。失敗を怖がりながら生きている子ども達が小学校にはたくさんいますが、あまりに窮屈そうです。
叱る基準についての説明をしましたが、年齢によってこのポイントは変わってきます。
そこで年齢別の叱り方のポイントについても説明します。
叱り方のポイントは年齢によって違う
- 0〜3歳 危険なことは注意する
- 4〜6歳 親の気持ちを伝える
- 6〜9歳 お友達や物、自分以外の人や物の気持ちを考えさせる
何歳からはこうだ、という基準を設けるのは子どもの発達段階には差があるので難しいのですが、ざっくり言うと上記のような感じでしょうか。
では、具体的に年齢別の叱るポイントについて説明します。
0〜3歳児の叱り方のポイント
はじめはケガをしないように「これは危ないんだよ」ということを伝えてあげるまでだと思います。
何度も何度も同じことを言われていくうちに、また痛い目に遭ううちに、子どもが覚えていきます。
イライラするでしょうが、大きな声で怒鳴りつけることは避けましょう。
「怒鳴る→大人しくなる」というのはしつけではなく、子どもを混乱させているだけなので覚えておきまそう。
4〜6歳児の叱り方のポイント
いわゆる「物心つく時期」になると、少しずつ色々なことを考えさせる必要が出てくると思います。
「そんなことをするママは悲しい」
「どんな気持ちになる?」
「それをしたらどうやる?」等、
子どもと一緒に考える機会を作ってあげてください。
はじめはわからなくても、一緒に考えていくうちに学習していきます。
繰り返す根気が我々大人には求められるのかもしれません。
6〜9歳児の叱り方のポイント
小学校に入る年齢になると、友達と遊ぶ機会は格段に増えます。
この時期には、お友達の気持ちを考えたり、壊された物の気持ちを考えることで、様々なところに視点ができ、色々なことを「考える子」になってきます。
「考えなさい!」という叱り方が意味をなさないのはここにカギがあります。「考える子」になってほしいのであれば、大人が一緒に考えてあげる機会をたくさん持つことが必須なのです。
叱ることは重要です。また叱り方も重要です。ママパパもわからないことだらけだと思いますが、夫婦で話し合いながら夫婦の基準を作っていくのもいいかと思います。